【司法書士監修】相続させないための4つの生前対策

2023年6月17日

NGポーズの女性
無料相談をしようか迷われる方がいらっしゃいましたら、無料相談のページでより詳細な内容をご案内しております。是非ご覧ください。

無料相談

どうしても自分の財産を相続させたくない相続人がいる場合、生前にできる対策にどのようなものがあるのでしょうか。

実は代表的な方法として4つがあります。このページを最後まで読んでいただければ、数分でその概要や注意すべき点を知ることができ、次にあなたが何をすればよいか明確になるはずです。

このページでは、「相続させたくない相続人に相続させないための効果的な4つの生前対策」の紹介と、それぞれの注意点や落とし穴を、創業20年の相続専門の司法書士事務所がお伝えします。この様な問題でお困りの方のお役に立てば幸いです。

相続させないための方法は4つある

まずはじめに「相続させないための方法は4つ」あります。聞きなじみの無い用語もあると思いますが、とりあえず次の通りです。

  1. 遺言を作成する
  2. 他の人に生前贈与する
  3. 生前に相続人から廃除する
  4. 生前に遺留分を放棄させる

相続人本人の同意は必要か(本人にバレるか)|費用はかかるか

「相続させたくない相続人がいるがどうすればよいか」というご相談はよくお受けしますが、多くの場合「相続人本人に分からないように(バレないように)手続きしたい」と言われます。また費用も問題になります。

そこで、4つの方法を簡単に比較して表にまとめてみました。

本人の同意は必要か 費用
1.遺言作成 あなたが遺言を書くだけの話なので本人の同意は不要。書いた遺言を生前に本人に見せる必要もない。 自筆証書遺言であれば、無料。
2.生前贈与 生前贈与の契約は「あなた」と「財産を譲り受ける人」で行うため、本人は無関係。生前贈与したことを知らせる必要もない。 金額によっては贈与税がかかる。不動産を贈与する場合は、登録免許税などの名義変更代もかかる。
3.廃除 裁判所での手続きが必要。その過程で本人にバレるし、廃除された旨は本人の戸籍にも記載される。 自分で裁判所へ手続きを行えば数千円で可能。しかし難しい手続きなので専門家へ依頼するのが普通。
4.遺留分放棄 本人から裁判所へ申請する必要があるため、本人が承知していることが大前提。 自分で裁判所へ手続きを行えば数千円で可能。しかし難しい手続きなので専門家へ依頼するのが普通。

それでは、4つの方法の内容を詳しく見ていきましょう。

相続させないための方法①遺言書を書く

例えばあなたが子Aにどうしても自分の財産を相続させたくないとします。この場合「私の全財産は子Bに相続させる」という遺言を書けばよいのです。

そうすれば、あなたの財産は子Aに相続されることはありません。ただし、遺言書には法律上の決まりごとがありますので、これを踏まえたものを作る必要があります。

さらに、せっかく遺言書を書いても、これがあなたの死後に誰にも発見されなかったら、遺言はないものと一緒ですから、遺言通りに財産分けの手続きをしてもらえるように「遺言執行者」もあらかじめ遺言書の中で決めて置き、その方に遺言書を預けておくなどの念入りな準備が必要です。

費用が安くすむのは「自筆証書遺言」

遺言書にはいくつかの種類・様式がありますが、もっとも費用が安くて手軽なのは「自筆証書遺言」です。つまり、あなたが手書きで作成する遺言書のことです。

「遺言書には法律上の決まりごとがある」とお伝えしましたが、「自筆証書遺言」の決まりごととは、次の4つです。

  1. 全文を自書する
  2. 日付を書く
  3. 名前を書く
  4. 印を押す

とりあえず、この4つのルールを守ってもらえれば、形式的な要件はクリアーです。内容が法律的に有効なものかどうかは、専門家に判断してもらうしかありませんし、その場合費用も掛かりますが、遺言書を書くだけならタダです。

しかし、問題は遺言書を誰が見つけてくれるのか、ということです。だれか信頼できる方(遺言執行者など)に預けておけばその心配はなくなりますが、そういう方がいない場合は困ります。ではどうすればいいのでしょうか。

「自筆証書遺言」を法務局へ預けることができる

令和2年7月から「遺言書保管制度」がスタートしました。自筆証書遺言を法務局で保管してくれるサービスです。保管手数料は3,900円です。

現在はまだ制度不備な点もありますが、将来的には、役所への死亡届と連動して、遺言書を保管している法務局から相続人等に対して「●●法務局でXさんの遺言書を保管しています」という通知がされるようになります。

もしそうなれば、遺言書が発見されないという危険を避けることができ、大変便利なシステムと言えるでしょう。遺言書の保管制度については別のページで詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

■自筆証書遺言の保管制度のすべて|最新版【司法書士監修】

費用は掛かるが確実なのは「公正証書遺言」

遺言書は自分で書くだけでなく、公証人に作ってもらう「公正証書遺言」というやり方もあります。

自筆証書遺言は自分で内容を考えて作るため「法律的に合っているのか間違っているのか」誰も判断してくれませんし、本当にあなたが作成したものであるという証人もいないため、あなたの死後に「遺言無効確認の訴え」などを相続人から起こされて無効にされてしまう恐れがあります。

その点、公正証書遺言であれば2名以上の証人が立会いの下に、あなたが伝えた内容をもとに公証人が遺言を作成しますので、その心配はほとんどありません。

自筆証書遺言に比べれば費用は掛かりますが、確実な方法と考えられていて、それは「法務局の遺言書保管制度」がスタートしてからも変わることはありません。

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらが良いかは、別のページで詳しく解説していますので是非ご覧ください。

■自筆証書遺言の保管制度と公正証書遺言はどちらがいいのか比較してみた

遺言書で生前対策する場合の「注意点や落とし穴」

先にもお伝えした具体例ですが、例えばあなたが子Aにどうしても自分の財産を相続させたくないとします。この場合「私の全財産は子Bに相続させる」という遺言を書きます。

そうすると、あなたの財産は子Aに相続されることはありません。しかし、相続人には基本的に「遺留分(いりゅうぶん)」という「法定相続分」とは別の概念の、最低限の取り分というものが保証されています。

ですから、いくら遺言書に「私の全財産は子Bに相続させる」と書いてあっても、子Aは子Bに「遺留分」を請求することが認められ(金銭賠償請求)子Bはこれを拒むことはできません。

遺言書を書くときは遺留分には注意

つまり、自筆証書遺言であれ、公正証書遺言であれ、「遺留分」には注意しなければならないということです。自筆証書遺言の場合は、自分で遺留分を計算するしかありません。たとえ法務局の保管手続きを利用するとしても、法務局はそのような内容に関する相談は一切受け付けないからです。

また、公正証書遺言を作成する場合も、通常は公証人は詳細な「遺留分」の計算までは行いませんから、注意が必要です。

遺言書を書くときは相続税にも注意

遺産が少なければ相続税はかからないので、あまり気にする必要はありません。しかし、不動産、銀行預金、株式、投資信託など財産が多くある場合は、誰にどの財産を相続させるかによって相続税が大きく変わることもあります。

これを知らずに、ただ闇雲にあなたの思いつくままに遺言書を書いても、相続人にとっては「かえって迷惑だった」ということもあり得る話です。

自筆証書遺言の場合は、自分で相続税を計算するしかありません。たとえ法務局の保管手続きを利用するとしても、法務局はそのような相談は一切受け付けないからです。

また、公正証書遺言を作成する場合も、通常は公証人は詳細な「相続税」の計算までは行いませんから、注意が必要です

「落とし穴」にハマらないための遺言書の作り方とは

遺留分や相続税を気にするほどの財産がない場合は、自筆証書遺言を法務局に保管するという程度で大丈夫かもしれません。

しかし、遺留分や相続税の対策を兼ねて遺言書を残しておきたいというのであれば、公正証書遺言を作成するべきです。

この場合も、すでにお伝えした通り、公証役場で遺留分や相続税対策は通常考慮してもらえませんので、まずは相続専門の法律事務所や司法書士事務所に間に入ってもらうように依頼して、内容的にも確かなものを準備してもらうのがよいでしょう。

相続させないための方法②生前贈与をしてしまう

例えばあなたが子Aにどうしても自宅を相続させたくないとします。この場合、あなたは自宅を子Bに生前贈与すればよいのです。

そうすれば、あなたが死亡した時にはすでに自宅は子Bのものとなっていますから、子Aに相続されることはありません。

生前贈与する場合の「注意点や落とし穴」

このように、生前に財産を別の相続人へ移動してしまえば問題解決のようにも思われますが、やはりこの生前贈与という方法にも問題点はあります。

贈与税は高額であること

贈与税の税率は、相続税の税率などと比較しても高額です。もちろん贈与税がかからないようにする方法もありますが、要件を満たす必要がありますし、限定的です。ですから、生前贈与の方法を選択する場合は、税理士のアドバイスを踏まえたうえで慎重に行う必要があります。

生前贈与も遺留分には注意

まずは「生前贈与も遺留分侵害額請求の対象となる」と理解してください。もっと分かりやすく言えば「生前贈与の金額も死亡時点の遺産に合算して相続人の遺留分を計算する」ということになります。

生前にもらっているものを遺産に合算するというのもおかしな話です。けれども生前に何ももらってない相続人との公平を図る趣旨の法律なんですね。
生前贈与の類型 遺産に合算して計算すべき生前贈与の範囲
1.一般的な生前贈与 相続開始前1年以内のもの
2.贈る側と受け取る側が遺留分を侵害すると知って行われた贈与 無制限
3.相続人への生前贈与(結婚や住宅取得などによる特別受益) 相続開始前10年以内のもの

このような結果、生前贈与により、何も生前贈与されなかった相続人の遺留分を侵害していたということになると、生前贈与を受けた相続人へ金銭賠償請求(遺留分侵害額請求)されることになり、死後に問題を残してしまいます。

「落とし穴」にハマらないための生前贈与とは

贈与税を考慮した上での生前贈与は、税理士の専門知識が不可欠です。また、遺留分対策も踏まえた生前贈与も同様です。なお、不動産の生前贈与となると、登録免許税もかかる名義変更手続きが必要となるため、司法書士にも相談しなければなりません。

「落とし穴」にハマらないためにも、相続専門の司法書士事務所や税理士事務所に相談の上、慎重に準備するとよいでしょう。

相続させないための方法③嫌いな相続人を廃除する

例えばあなたが子Aから日常的に暴行を受けていたり、無断であなたの財産を浪費されているなどの特別の事情がある場合、あなたが裁判所へ申し立て、審理の上、子Aを相続人から廃除(除外)してもらうことができます。

そうすれば、あなたが死亡した時、子Aは相続人にはなりませんし、子Aは遺留分すら主張できなくなります。

廃除する場合の「注意点や落とし穴」

廃除という方法は、相続人の相続する資格を奪うだけではなく、遺留分も奪ってしまうため、あなたからすると理想的な方法と思えるかもしれません。

廃除が裁判所で認められる可能性は少ない(成功率が低い)

あなたが裁判所に廃除の申し立てをしますと、あなたの言い分が正しいのかどうか、相手側の言い分も聞いた上で審理がされます。

廃除が認められるのは、法律上、①あなたに対する虐待や重大な侮辱がある場合や、②相続人にその他の著しい非行がある場合です(民法892条)。

単に、性格が合わない、長年付き合いがない、では廃除は認められません。①や②に相当するかどうかは、あなたや相手方の主張立証により裁判官が判断することになります。つまり廃除は弁護士への依頼が大前提となる手続きです。なぜなら主張立証は「法律的」に行う必要があるため、ただ漫然と事実を指摘すれば良い訳ではないからです。

なお、あなたが遺す遺言書の中に「子Aを廃除する」と一方的に書いておくこともできます。しかし、その場合、あなたの死後に遺言執行者があなたに代わって①②に相当する事由があるか否かを子Aと争っていくこととなり、あなたという当事者がこの世にいない分、ますます形勢不利となり、廃除は認められにくくなります。

廃除が認められても代襲相続されてしまう

もし裁判所で子Aの廃除が認められたとしても、子Aに子供Xがいれば(あなたからみて孫にあたる人)、Xが子Aに代わってあなたの財産を相続することになります。これを代襲相続と言います。

つまり廃除したい相続人に子がいる場合は、あまり問題の解決にならないこともあるのです。

相続させないための方法④遺留分の放棄をしてもらう

この方法はこれまでの3つの方法とは異なり、少し複雑で特殊な方法です。通常は「遺言書作成」「生存贈与」と組み合わせて、連動させた形で行うことが多いです。

遺留分の放棄をしてもらう場合の「注意点や落とし穴」

遺留分の放棄は「廃除」ほどの強い法的効果はありませんが、検討の余地はあるかと思います。

遺留分の放棄は要件さえクリアすれば可能だが…

上でお伝えした「廃除」に比べて、遺留分の放棄は一定の条件さえクリアすれば比較的認められやすいです。その要件とは一般的に次の3つです。

  1. 本人が自分の意思に基づいてしていること(あなたから強要されていない)
  2. 放棄の理由に合理性と必要性があること
  3. 本人が放棄と引き換えに対価を得ていること

まず、遺留分の放棄は「家庭裁判所の許可」が必要となります。この許可をもらうために家庭裁判所へ書類を提出することになるわけですが、この申立てを行うのはあなたではなく、放棄する本人です。

ですから、本人が自ら「自分は相続が開始しても遺留分は主張しません」と申立てをしなければならず、まさに要件1の通り「自分の意思に基づいてしている」必要があるのです。

遺留分の放棄は「対価と引き換え」にしてもらうのが普通|生前贈与とセット

遺留分を放棄するということは、相続が開始しても「金銭的な要求はしない」ということです。このことを客観的に見るなら、普通、その相続人が生前に贈与を受けているとか、今回遺留分を放棄する代償として現金をもらうなどの事情があってのことと言えます。

「生前に何かくれるのであれば遺留分を放棄してもいいよ」というのが自然な流れですよね。

そうでなければ、無条件に遺留分の放棄をする人はいないでしょう。もちろん、単に相続には関与したくないという理由で、対価を受け取ることなしに遺留分を放棄したい人もいますので、「対価と引き換え」という要件は必須ではありません。

遺留分の放棄と「遺言書作成」はセット

相続人に遺留分の放棄をしてもらうだけでは、あなたの目的は達成できない場合がほとんどです。この後でお伝えしますが「遺留分の放棄」と「相続の放棄」は異なる制度なので、ケースによっては遺留分を放棄した相続人に財産を相続されてしまう可能性もあるからです。

このようなことにならないように、あなたの財産の相続先はすべて遺言書で指定しておく必要があります。ですから、遺留分の放棄は遺言書の作成とセットで行う場合がほとんどです。

遺留分の放棄と「相続の放棄」は全然意味が違う

まず「遺留分の放棄」はあなたが存命中に(つまり相続開始前に)相続人になる予定の人に行ってもらう手続きです(実は相続開始後にもできる手続きでその場合は裁判所での手続きは不要となります)。

これに対して「相続の放棄」は相続開始前に行うことはできません。例外はありません。「相続の放棄」はあなたが死亡して相続が開始してはじめてできる手続きです(裁判所での手続きが必要です)。

よく「私が生きている間に子供に相続放棄してもらいたいのだけど…」という相談を頂きますが、そのような方法は存在しません。

また「遺留分の放棄」は遺留分を放棄したにすぎません。相続人の地位まで放棄したわけではなく、「相続の放棄」をしたわけではありません。つまり「遺留分を放棄」したとしても、事例によってはその方が財産を相続できてしまう場合もあるのです。

さいごに|いまなら無料相談が受けられます

私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでは、「【司法書士監修】相続させないための4つの生前対策」と題して、相続手続き専門の司法書士の立場から、まさに今あなたが困っていることについて、知っておくべきことを解説しました。

このページでお伝えしたかったことは次の3点です。

  • 遺言書の作成が最も現実的で簡単な方法
  • 生前に「相続放棄」させることはできない
  • どの方法が良いかは専門家の意見を聞く必要がある

まずは代表的な4つの方法の概略を知ることができたのではないでしょうか。その上で、あなたにどの方法が一番適しているのかは、法律的な知識、税務上の知識などが必要になります。ぜひそのような問題を解決する場面で私たち相続手続きの専門家をご活用いただければと思います。

専門知識を有する私たちであれば、疑問にお答えできます。相続問題に強い提携の税理士や弁護士もおりますので、全方向の対応が可能です。

いまなら毎週土曜日に面談(対面・非対面)による無料相談を実施しています。また無料相談は平日も随時実施しています。
お電話(予約専用ダイヤル042-324-0868)か、予約フォームより受け付けています。メールによる無料相談も行っております。いずれも無料ですが誠意をもって対応します。ご利用を心よりお待ちしております。

無料相談をしようか迷われる方がいらっしゃいましたら、無料相談のページでより詳細な内容をご案内しております。是非ご覧ください。