成年後見

成年後見手続きでしくじらないために

近年、成年後見手続きに関するご相談件数が増えています。

「相続人の中に認知症の方がいた場合どうすればいいのか」

「家族が成年後見人となるにはどうすればよいのか」など具体的なご質問も多くいただきます。

しかし、その一方で成年後見手続き、後見制度自体に関する誤解も多く見受けられます。

ここでは、成年後見制度を正しく理解して頂くために、9つのよくある質問に答えます。9つの解説を読めば成年後見制度の概略は理解できるよう分かりやすい記事を心がけました。

成年後見手続きでよくあるお問い合わせ

Q1「成年後見人を立てるしか方法はないのですか?」

成年後見人を立てるには、本人(認知症の方)の居住地の家庭裁判所に、成年後見人選任の申し立ての手続きをします。

医師により認知症と診断された人が相続人の中にいる場合、相続手続きを行うためには、現在の法律上は、成年後見人を選任する以外に方法はありません。

ただし、相続手続きを裁判手続き(遺産分割調停や審判など)によって解決するのであれば、成年後見人ではなく特別代理人を選任することで済む方法もあります(常に認められるわけではありません)。

また、老人ホームなどの入所契約や定期預金の解約手続きをするためであれば、成年後見人を立てるしか方法はないでしょう。

ほとんどの場合で成年後見制度を利用することになります。

Q2「申立は誰がするのですか?」「誰が後見人になるのですか?」

申立ができるのは、本人(認知症の方)、4親等内の親族等、これが困難なときは市町村長です。

本人は認知症等ですから、実際は親族による後見申立がほとんどです。誰が成年後見人になるかは、最終的には裁判所が決めます。一応、申立人の希望も考慮されます。

家族や司法書士、弁護士、社会福祉士が成年後見人になるのが一般的です。

家庭裁判所の最新の統計によると、家庭裁判所が、成年後見人として最も多く選任しているのは、司法書士です。

家族が成年後見人に選任されることもあります。しかし、本人の財産が多い場合や家族が高齢の場合等は、家族は後見人として選任されにくいのが現状です。

家族が成年後見人になることを希望する方は、こちらの記事もご覧ください。

【考察】成年後見人は家族でもできるか?

Q3「成年後見人選任の申立手続きは自分でもできますか?」

成年後見の申立手続きを自分でされる方もいらっしゃいます。

家庭裁判所で、成年後見の申立書類一式が入った封筒を受け取ることができます。家庭裁判所のホームページでダウンロードすることもできます。

成年後見申立書類は、一種の裁判書類ですので、わかりづらく、財産目録や収支目録など難しい書類の作成・提出が必要となります。

成年後見申立書類に不備があると、成年後見人選任手続きに必要以上に時間を要しますので、手続きに不慣れな方は専門家に依頼すべきでしょう。

Q4「申立て費用はいくら位ですか?」「手続きは何日くらいかかりますか?」

成年後見人選任申立手続きの代行費用・報酬は、裁判所に納める額も含めて総額8万円~15万円程度が相場です。

原則的に申立人が負担します。申立てに関する当事務所の詳細な報酬規定はこちらにございます。

相続手続き以外の報酬

成年後見人選任の申立書類を家庭裁判所に提出した後、本人の精神鑑定が必要な場合は、裁判所から10万円程度の追加負担金の支払いを命じられることもあります(精神鑑定費用に使用されます)。

申立人は、最低でも1回、平日に裁判所から呼び出されます。

成年後見人の選任手続きには、およそ1ヶ月程度の時間を要します(事例によります)。

Q5「実際に後見人は何をするのですか?」

成年後見人が本人に代わってすることは2つあります。

1つ目は財産管理です。

相続手続きが代表例ですが、その他にも預貯金の入出金、各種費用の支払いや受領、不動産の管理や保存の事務について本人を代理して行います。

2つ目は身上監護です。

本人に必要な介護サービス、老人施設、病院の入退院の契約事務について成年後見人が本人を代理して行います。いわゆる身の回りのお世話や、医療行為(手術等)の同意は行いません。

また、成年後見人は、少なくとも毎年1回、後見事務報告書、財産目録、収支状況報告書を作成して家庭裁判所へ提出する義務があります。

Q6「後見人を途中で辞任できますか?」

成年後見人自身の病気や転居など、特段の事情がない限り成年後見人を辞任することはできません。

相続手続きや施設への入所契約、定期預金等の解約手続きが終了したからといって成年後見人を辞任することもできません。この点は一般の方からの誤解が非常に多いところですので注意してください。

成年後見は認知症の方が亡くなるまで続きます

なお、成年後見人に不正な行為がある場合は、家庭裁判所から成年後見人を解任されることもあります。

Q7「遺産分割協議が終わったら、後見手続きも終了しますか?」

相続人の中に認知症の方がいる場合など、相続をきっかけに成年後見人の選任を選任される方がとても多くなっています。

成年後見人が認知症の方の法定代理人となって遺産分割協議などの相続手続きを行うこととなるためです。

この場合、相続手続きが完了しても、成年後見手続き自体が終了することはありません。成年後見手続きは、本人が死亡するまで継続します。決して途中で終了することはありません。

Q8「後見に似た保佐や補助という制度があると聞きました」

成年後見人の選任申し立てをする際には、医者の診断書を添付します。医師は必ずしも主治医である必要はありませんが、申し立て後に行われることがある「精神鑑定」のことを考慮すると、主治医の方が好ましいかもしれません。

ところで、その医師の診断書には本人の能力がどの程度あるかが書かれています。

1、軽度の認知症であれば→保佐制度
2、頻繁な物忘れであれば→補助制度
3、重度の認知症であれば→後見制度

を利用することが一般的です。まずは、この医師の診断に沿った申し立てをすることになります。細かな違いは多々ありますが、本人を支援する制度という意味では、保佐も補助も後見制度と共通した手続きです。

Q9「後見人へ支払う報酬はいくら位ですか?」

成年後見人の報酬は家庭裁判所の審査を経た上で、本人の財産(預貯金など)から支出されます。

報酬額は裁判所に決定権があります。成年後見人が決めるわけではありません。

司法書士など専門家の後見報酬は、1か月3~4万円が基準です(管理する財産の価額等によって異なります)。

家族が成年後見人となる場合は、報酬を求めないことがほとんどです。もちろん、法律上は報酬を求めても何ら問題はありません。

ご相談お待ちしております! 左|司法書士 今健一  右|司法書士 齋藤遊

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また、現在ご家族が成年後見人に選任されている場合の、家庭裁判所に提出する財産目録等の書類作成代理もお引き受けしております。

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