相続登記

「相続登記が必要だとは言ってもどうすればいいか分からない」日常的にそのようなお問い合わせをいただきます。

そもそも相続は人生のうちに何度も経験するものではありません。ましてや「登記」など、ほとんど詳しいことは分からないと言うのが現状ではないでしょうか。

このページでは、相続登記と名義変更は同じ意味なのか?、相続登記とは必要な手続きなのか?、誰に頼むべきで、費用はどれ位かかるのか?等、今まさに相続に直面して困っている方へ向けて、相続登記のキホンを丁寧に解説しました。

相続登記と名義変更は違うのか?

亡くなった方の残した財産を引き継ぐ手続きのことを「相続手続き」と言います。具体的にどのような相続手続きをするべきかは、相続する財産によって異なり、多岐にわたります。

例えば、銀行の預貯金口座であれば、一定の書類(戸籍謄本など)と共に各銀行所定の様式の「相続届け(銀行ごとに異なる呼び名がありますが)」を提出して、口座の名義を相続人に変更したり(名義変更)、口座を解約して払い戻しを受けたりします。

同様に故人が不動産を所有していた場合も相続手続きが必要です。亡くなった方の名義から、相続人の名義に変更する必要があります。この名義変更のことを相続登記と呼びます。ですから、不動産の相続登記と不動産の名義変更は、この場合同じ意味といって良いでしょう。

相続登記は必要なのか?

相続登記はどうしても必要な手続きなのでしょうか。相続登記は下記に説明するように自分で行うにしても、専門家に依頼するにしても原則的には費用がかかりますから、やらなくて済むのであれば、できるだけ避けたいと思うのが人情でしょう。

実は相続登記を強制する法律はありません。将来的にどうなるかは置いておくとして(政府は現在相続登記を義務化する方向で動いています)、現在の法律において、相続登記をやってないからといって罰せられることはありません。

相続登記を行っていない場合、市役所等から「相続人の中から固定資産税を納める人を決めて役所に届け出てください」という通知が来ることがあります。この通知も相続登記を催促している訳ではなく、納税者を決めて役所に知らせるように促しているだけです。

なお、国が相続登記を強制しないということは、国は相続登記をしていない者に対して、何の関与・ケアをしないということでもあります。

例えば、相続登記をしなかった為に相続人が不利益を受けても、自己責任の問題として、国に対して何の責任も問えません。また、相続登記をしていない方に代わって国が職権を行使して相続登記を行うということも原則としてありません。

このように考えると、「相続登記は強制ではないものの、結果的にはしなければならないもの」と言えるでしょう。

相続登記をしなかった場合に受ける不利益については、別のページで詳しく説明しています。もしよろしければお読みください。
「やってはいけない 相続手続きの放置」
https://www.office-kon-saitou.com/souzoku-houchi

やってはいけない「相続手続きの放置」

売却するので相続登記を省略できないか?

義務ではないが、結果として相続登記はやらざるを得ない手続きであることはお分かりいただけたと思います。それでは、合法的に相続登記を省略することはできないのでしょうか。

一番よく問題となるのが、相続物件を売却するケースです。相続物件の売却は、売却代金を相続人同士で分けることを目的に行われることもありますし、単に相続物件が不要と言う理由でされる場合もあります。

いずれにしても相続してすぐに売却するわけですから、わざわざ相続登記を行う意味はないのでは?とも思えます。

しかし、不動産登記手続き上は、すぐに売却にするにしても将来売却するにしても、必ずいったんは故人の名義から相続人の名義に変更する必要があります。その上で売却をすることになります。

不動産業者へ相続物件の査定依頼・売却の相談や、不動産仲介の申込をするにあたっては相続登記を済ませている必要はありません。しかし買主に登記名義を引き渡す時点では、相続登記を終えていなければなりません。

このように、たとえ売却するからといって、相続登記を省略することはできません

相続登記はどうやるのか?

それでは次に、相続登記とはどのような手続きなのかを解説します。すでに説明したように、不動産を所有していた方が死亡した場合は、相続登記が必要になります。相続登記とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

どこに手続きをすればよいのか

相続登記は、不動産を管轄する法務局に対して、必要書類と共に登記申請書を提出することにより行います。法務局は日本全国にありますが、どこで手続きをしても良いというものではありません。

相続する不動産を管轄している法務局が分からない場合は、下記に法務省による「法務局の管轄検索ページ」のリンクを挙げますから、検索してみてください。

管轄のご案内|法務局
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

管轄の法務局が遠方にある場合など、直接出向くことができない場合は、郵送やオンラインによる相続登記手続きをすることもできます。

郵送による手続きは、直接出向いて行うときとほとんど同じですが、オンラインによる手続きは特殊な手続きとなっているので、一般の方には利用をお勧めできません。

また、管轄の違うところに相続登記を申請しても、相続登記は却下されますのでご注意ください。

相続登記はどのくらい日数がかかるか

このように相続登記は、不動産を管轄する法務局に対して書類を提出することにより行いますが、どのくらいの日数がかかるのでしょうか。

法務局に書類を提出しても、その場で手続きが完了するわけではありません。書類を提出した当日は、書類を預けてそれで終了です。戸籍謄本なども預けた当日には返却されません。

提出した書類は法務局で審査されます。この審査に通常1~2週間の時間がかかります。提出した書類に何も問題がなければ、相続登記は書類を提出してから1~2週間で完了します。

提出した書類に問題がある場合は、法務局から電話等があり、正しく訂正したり、書類を追完したりします。そうなりますと、訂正した内容を再審査することになりますから、登記が完了するまでにさらに時間がかかります。法務局はいわゆる役所ですから、融通は利きません。

さらに、別の視点から考察してみます。相続手続きに着手してから、相続登記が完了するまでにどのくらいの日数がかかるのか、が一番気になるところだと思います。

以下に説明するように、相続登記を行う為には「登記申請書」を作成して、「添付書類」を用意しなければなりません。

相続手続きを専門とする司法書士事務所に、「登記申請書」の作成と「添付書類」の徴収を依頼した場合、おおよそ1ヶ月程度あればすべて完了します。

これに対して一般の方が自分で行った場合、「添付書類」の徴収だけで時間を要し、当然専門家が行うよりも多くの時間を費やすことになります。

相続登記の申請書の作り方

管轄の法務局が分かったら、法務局へ提出する「登記申請書」を作成します。法務局に備え付けの用紙などは一切ないので、ゼロから作成する必要があります。

「登記申請書」の内容が具体的にどのようなものになるかについては、相続の事案ごとに異なります。下記に挙げる法務局のページに、ケース別の様式や記載例がありますが、一般的な例示に止めていて、全てのケースを網羅しているものではありません。

なお、法務局に登記申請書の個別具体的な書き方を問い合わせても、一般的な回答がされるのみです(法務局は登記申請書の添削のようなことは職務上行うことができません)。

登記申請書の作成について初めての方や、自身の無い方は、相続手続きを専門にしている司法書士事務所にご依頼ください。

不動産登記申請手続|不動産の所有者が亡くなった|法務局
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudousan4.html

相続登記の必要書類(添付書類)とは

相続登記に際しては、登記申請書に合わせて必要書類を添付する必要があります。どのような書類が必要かは事例によって異なりますが、一般的には次の通りとなります。

1、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・改製原戸籍謄本
2、相続人全員の現在の戸籍謄本
3、被相続人の住民票の除票
4、相続人の住民票(不動産を取得する方のみ)
5、遺産分割協議書(または遺言書)
6、相続人全員の印鑑証明書
7、固定資産評価証明書

この必要書類の中では「1、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・改製原戸籍謄本」を収集するのが一番難しいと思います。

故人が本籍を置いていた場所を特定して、次々と戸籍を収集していくわけですが、一般の方がこの作業を行うと時間と労力を要します。このような作業も相続手続きを専門としている司法書士であれば対応が可能ですから、一度お問い合わせしてみることをお勧めします。

また、上記に挙げた必要書類について、相続登記を申請するにあたっては使用期限はとくに定められていません。原則として、相続発生後に発行された書類であれば相続登記で使うことができます。ただし、あまりに古い書類については法務局から差し替えを要求するかもしれません。

さらに、提出した必要書類は(「原本還付」とよばれる書類返却手続きをとれば)返却されます。ですから、銀行の手続きや保険の手続きで同じ書類を使いまわすことも可能です。

戸籍謄本の取り寄せについては、別に詳しい記事を用意しました。もしよろしければお読みください。

戸籍謄本の取り寄せ
https://www.office-kon-saitou.com/handling-business/souzoku/kosekitouhon

戸籍謄本の取り寄せ

なお、平成29年からスタートした新制度「法定相続情報証明制度」を利用して取得した「法定相続情報一覧図」を、戸籍謄本の代わりに添付して相続登記をすることもできます。

しかし、「法定相続情報一覧図」は必ず添付しなければならない訳ではありません。従来通り、戸籍謄本を添付する方法で相続登記をすることも可能です。

詳しくは、別の記事がありますので、もしよろしければお読みください。
【最新版】法定相続情報証明制度を使ってみる

【最新版】法定相続情報証明制度を使ってみる

相続登記に申請書の提出期限はあるのか

相続登記の申請書に提出制限はありませんただし相続税の申告が必要な方はお急ぎ下さい。10ヶ月以内に遺産分割協議をして、相続税の申告・納付をする必要があります。

相続税の申告が不要であれば、そもそも遺産分割協議自体はいつ行っても構いませんし、相続登記もいつ申請しても構いません。

相続登記には申請期限はない

相続登記を誰に頼むのか?

相続登記を他人に代わって申請できるのは、法律上司法書士だけです。登記の申請代理権は、法律上、司法書士にのみ与えられています。

税理士事務所や行政書士事務所などが「登記も行います」とアナウンスしている場合は、その事務所が提携している司法書士に代行してもらうという意味です。

ですから、相続登記については誰に依頼するのかを検討するのであれば、はじめから司法書士を探すのが近道です。ただし、相続手続きを専門にしていない司法書士に依頼すると、相続税対策や遺産分割協議の進行方法等に知見がないため、思わぬ不利益を受ける場合があります。

したがいまして、相続手続きを専門にしている司法書士事務所(パートナー税理士や弁護士と提携している事務所)にご相談されますと、ご自身の利益を守るために最適だと考えます。

相続登記にかかる費用や報酬はいくらか

相続登記を申請するには費用がかかります。自分で手続きをするにしても、司法書士に手続きを依頼するにしても一定の出費は免れません。

まず、必ずかかる費用として「税金(登録免許税)」があります。自分で手続きを行う場合も、司法書士に手続を依頼する場合も同額です。登録免許税は、登記申請時に収入印紙で納付します。

相続登記の登録免許税が免税となる措置もありますが、適用される場面が限定的ですから、ほとんどの場合、登録免許税はかかるものだと認識して頂いて間違いありません。

相続登記の登録免許税の免税措置については別の記事を用意してあります。もしよろしければお読みください。
相続登記の登録免許税の免税措置がスタート

相続登記の登録免許税の免税措置がスタート

司法書士に手続を依頼する場合には、登録免許税に加えて、司法書士に対する報酬が必要となります。

相続登記の登録免許税の計算方法

まず、市役所等で固定資産評価証明書を取寄せます。手元になければ、毎年税務署より送付される固定資産税納税通知書でも計算はできます。

固定資産評価証明書や、固定資産税納税通知書に記載されている「評価額」に1000分の4を乗じた額が登録免許税となります。相続登記を申請する以上必ずかかる費用です。

また、道路を所有(または近隣と共有)している場合、道路の相続登記も必要になります。原則として道路部分には固定資産税は課税されていないはずですが、相続登記を行う場合は、相続登記の登録免許税は必要となります。道路の登録免許税は専門的な計算が必要なケースもありますので、司法書士にご相談ください。

相続登記の司法書士の報酬

現在、司法書士の報酬は法律上の定めはありません。各司法書士事務所の自由裁量です。当事務所では、東京都の司法書士事務所におけるおおよそ平均額を報酬としております。下記に当事務所の報酬表を挙げましたので、もしよろしければお目通しください。

相続手続きの報酬

相続登記を自分でやるか専門家に頼むか

上に挙げた法務省のページなどを参考に、自分でできそうであればチャレンジするのもよいでしょう。不動産登記手続について多少の知識があって、法務省のページに書いてあることが理解できれば大丈夫だと思います。

しかし、法的に間違った登記がされてしまったとしても、相続登記を正しく修正することは難しいため、その点を十分検討した上で慎重に行って下さい。

当事務所で扱った事例の中にも、先代が自分で相続手続きを行い、その内容が誤っていたことにより、その子が行わなければならない以後の手続が非常に難解となってしまったケースがありました。もちろんその分費用も余計に掛かってしまいます。

相続は自分の問題だけでなく、財産を後の世代へ確実に引き継ぐことも視野に入れなければならない為、後世に問題を残さないような適切なプロセスで行う必要があります。

その点、相続を専門にしている司法書士事務所であれば、最新の知識と幅広い知見により、適切に財産を次の世代へバトンタッチさせることができます。

いずれにしても、このような問題に強い、相続手続きに特化した司法書士にまずは相談されることをおすすめします。

無料相談を受け付けています

私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。

このページでは、「相続人が知っておくべき相続登記|総まとめ」についてお話ししました。

相続手続きに関する全体像はお分かりいただけたでしょうか。

これからの相続手続の進め方、具体的に相続登記の費用はいくら位かかるのか、どの位の期間で完了するのか、他にも様々な疑問があることと思います。

専門知識を有する私たちであれば、疑問にお答えできます。

毎週土曜日に無料相談を受け付けていますので、この機会にお気軽にお問い合わせください。
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