【司法書士監修】公正証書遺言作成をコロナ面会謝絶で拒否されたら?

2022年6月10日

医者
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身近な親族が病院や施設へ入所し、その方から「遺言書を作りたい」と言われたら、あなたならどうしますか。

遺言書(公正証書遺言)は、病院や施設でも作成することはできるのですが、新型コロナウィルスが蔓延しているここ数年、それができなくなっている現状をご存知ですか。

このページでは、新型コロナウィルスによる遺言書作成にかかるトラブル事例の紹介と、その対処方法を、創業20年の相続専門の司法書士事務所がお伝えします。この様な問題でお困りの方のお役に立てば幸いです。

公正証書遺言は病院でも作れるのが大原則

まずはじめに「公正証書遺言は病院でも作れる」という点は間違いありません。ほとんどの方が「公正証書遺言は公証役場へ出向かなければならない」と思い込んでいるのですが、それは誤った認識です。

病気やけがで外出が難しいという場合は、本人のいる病院や施設、あるいは自宅まで公証人に出張してもらうことができます。本来の遺言書作成費用に加えて、出張費用はかかりますが、非常に便利なサービスであることは間違いありません。

しかも公証人の出張費用も、近所の公証人を手配すれば、思ったほど高額ではありません。

遺言者が病気等で公証役場に出向くことができない場合には、公証人が出張して遺言公正証書を作成しますが、この場合の手数料は、遺言加算を除いた目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。この他に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。手数料|日本公証人連合会

入院している人が公正証書遺言を完成させるための手順

病院や施設から公証役場へ電話して、公証人を手配し、公正証書遺言を完成させるのは少し難しいかもしれません。と言いますのは、公正証書遺言を完成させるためには、ただ単に公証人に病院に来てもらえばよいというものではないからです。

病院に来てもらうのは、作成の最終段階でありまして、それまでに必要な書類の収集や、遺言の内容を形あるものにしなければならないのです。

一番厄介なのは、やはり遺言の内容を確定させる作業です。

そもそも法律に詳しくない一般の方は、遺言の内容がどのようなものであるべきか通常知りませんし、公証人も「あなたはこのような内容の遺言がいいですよ」とはアドバイスしません。一般論として公証人は、本人が伝えた内容通りの遺言書を作ります。

ですから、もし入院中・施設入所中の方が公正証書遺言を作りたいとなった場合は、遺言書の作成サポートを業務として扱っているような弁護士や司法書士に相談した方が、安心かつスピーディーに遺言書を完成させることができます。

入院中の方の公正証書遺言書の作成の手順

当事務所が入院中・施設に入所中の方から公正証書遺言作成の依頼を受けた場合の、公正証書遺言書作成の当日までの簡単な流れは以下の通りとなります。

【1】本人と遺言内容の打ち合わせ

いちばん大事なのは遺言内容の打ち合わせです。法律的なことはひとまず置いといて、本人の希望を伺います。これに基づいて、私たちが法律的に矛盾や危険がないように、遺言内容を精査し、起案します。

その後、私たちが起案した遺言内容を文書にしまして、本人に確認をしてもらいます。修正箇所や付け加えたい内容がある場合は、その都度リライトします。そして内容を確定させます。

税務上の問題が付随して発生するような場合は、当事務所提携の税理士に相談の上、適宜内容修正のアドバイスをします。

【2】公証人へ必要書類の提出・遺言内容・日程の打ち合わせ

本人の印鑑証明書や財産に関する資料などのデータを公証役場へ提出します。そして本人から了承を得た遺言内容を公証人に送ります。内容について公証人から手直しが入ることはあまりありませんが、文言の言い換え程度はあります。

作成について問題がないとなったところで、最終作成日の日程調整に入ります。

公証役場の公証人にもスケジュールがありますので、「明日お願いします」とはなりません。通常は2~3週間先の日程となることが多いです。

しかし、「余命宣告がされていていつ亡くなるか分からない」というような緊急事態においては、迅速な対応をして頂ける公証役場は多いです。

反対に「そんなことはこちらには関係がないから順番に対応する」と言われたこともあります。そのような場合はできるだけ柔軟な対応をしていただける他の公証役場を当所で探します。

【3】病院・施設での作成日当日

それまでの準備が整っていれば、作成日当日は15分から長くても30分程度で作業は完了します。

まず、公証人が本人に氏名や住所を尋ね、本人確認をします。その後、すでに当職を経由して公証人に伝えてある遺言書の内容を簡単に質問します。

本人の回答に問題なければ、公証人がすでに作成して持参した「遺言公正証書」を本人にも手渡して、1ページ目から読み合わせを行います。最後に署名・押印をして完成です。

コロナで問題となっている「面会謝絶」による作成不能

いまコロナ禍で問題となっているのは、院内感染防止対策としての「面会謝絶」です。面会が出来ないとなると、公証人は本人確認が面前で行えませんし、遺言の内容も直接確認できません。

「それならば電話、テレビ電話、Zoomなどのオンラインを使ってやればいいじゃないか」と思いますが、そもそもそのような手続きを認める法律が存在しないのです。

公正証書遺言の作成方法を定めた法律には何と書いてあるか?

公正証書遺言の作成方法は、民法という法律の第969条に次のように書かれています。

(公正証書遺言)
第969条
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。e-Gov法令検索|電子政府の総合窓口

公正証書遺言の作成は公証人と対面することが大前提

確かに上でお伝えした民法の規定の中には「対面」の文字は使われていません。しかし、解釈上、この規定にある「公証人に口授(本人の口で直接伝えること)」「遺言者に読み聞かせる」ことは、対面しているからできることだと考えます。

話はそれますが、民事裁判でテレビ電話を使ってできる手続きがいくつかあるのですが、それは「テレビ電話でできる」という法律があるからです。

公正証書遺言の作成には「テレビ電話でできる」という法律がないので、それは不可能となります。

アクリル板越しやガラス越しは「対面」となるのか

アクリル板越し程度であれば、そもそも公証役場にもアクリル板は設置されていることが多いので、何ら問題はなく「対面」と言えますから、公正証書遺言の作成は可能です。

ガラス越しは、その程度によるかと思います。互いの声が聞き取れないようなガラス越しであると、声のやり取りが直接できませんから、電話を使うしかありませんが、そもそも電話による作成を認める規定がないので、結局難しいのではないかと考えます。

また、本人にあまり接近せずに、かなり離れた距離から意思確認をしてもらうという方法で作成できないか、という問題ですが、これも距離が離れていると互いの声も聞き取れませんし、現実的な方法ではないと思います。

いずにしても、病院・施設側にどこまで譲歩してもらえるかに係っていると言えます。

「面会謝絶」となったら、公正証書遺言の作成は断念か

「面会謝絶」にも病院によってルールがあるようです。コロナの院内感染がこれまでに報告されている病院は、とくに「面会謝絶」のルールは厳しく、公証人や司法書士は当然のこと、家族も病室・施設には入れなかったりします。

しかし、病室ではなく、ロビーでの対面を認めたりすることもあるようですし、病院内・施設内への立ち入りはできなくとも、駐車場での対面を認めるケースもあるようです。

ですからもし病院・施設側から「面会謝絶」を言われた場合には、このような方法による対面を認めてもらえないか、確かめてみる必要はあるでしょう。

公証人にはロビーや駐車場であっても、本人の意思が直接対面で確認できるのであれば、遺言作成に対応してもらえます。

一方で、病院や施設は一個人の利益(遺言)よりも、院内感染を防止する方が全体の利益を守ることになるので、医師・施設管理者側への根回しは必要になるのではないでしょうか。

最終手段は「自筆証書遺言」の作成

もし病院・施設側から一切の「面会謝絶」を言い渡された場合には、公正証書遺言の作成はあきらめるしかありません。しかし、遺言書自体が作れなくなるわけではなく、「自筆証書遺言」の作成に切り替えるべきでしょう。

自筆証書遺言は、全文を本人が手書きして、氏名・日付・押印(認印や拇印でも可)さえあれば、とりあえずは形式的には有効です。内容が複雑なものは、本人の体調の問題などで難しいかもしれませんが、「私の財産を●に全部相続させる」程度の簡潔なものであれば、可能ではありませんか?。

自筆証書遺言の保管制度は、本人が法務局へ出向かなければならないため、健康状態がよくなければ制度の利用はできません。しかし、保管制度を利用しなくても、自筆の遺言書は普通に作成することができます。

遺言の作成自体をあきらめずに、最終的には有効な自筆証書遺言書を完成させることに力を注げばよいでしょう。そして、遺言は何回も書き直すことができますから、「面会謝絶」が緩和されたところで、再び公正証書遺言の作成に動けばよいと考えます。

さいごに|いまなら無料相談が受けられます

私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでは、「【司法書士監修】公正証書遺言作成をコロナ面会謝絶で拒否されたら?」と題して、相続手続き専門の司法書士の立場から、まさに今あなたが困っていることについて、知っておくべきことを解説しました。

このページでお伝えしたかったことは次の3点です。

  • コロナ禍の面会謝絶により公正証書遺言ができないケースがある
  • 面会謝絶がどの程度のものか病院・施設に確かめる必要がある
  • 公正証書がダメなら自筆証書遺言を完成させるようにする

これから公正証書遺言の作成手続きを始めたい方、入院中・入所中の親族から遺言作成方法を聞かれてどうすれば良いか分からない方。税務もふくめて、遺言作成を安心して終わらせたい方。ぜひそのような問題を解決する場面で私たち相続手続きの専門家をご活用いただければと思います。

専門知識を有する私たちであれば、疑問にお答えできます。相続問題に強い提携の税理士や弁護士もおりますので、全方向の対応が可能です。

いまなら毎週土曜日に面談(対面・非対面)による無料相談を実施しています。また無料相談は平日も随時実施しています。
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