【相談事例】公正証書遺言の無効は難しい?2つの裁判例と司法書士が教える対処法

「公正証書遺言を無効にするのは非常に難しい」とは、相続の専門家から見ても事実です。
しかし、完全に不可能なわけではありません。
このページでは、創業20年以上、地域随一の相続専門の司法書士事務所であるこん・さいとう司法書士事務所が、「なぜ難しいと言われるのか」「どのようなケースなら無効にできる可能性があるのか」を実際の相談例をもとに、分かりやすく説明します。
このページが、「公正証書遺言を使った相続手続き」「これから遺言書を作成する予定」でお困りの方のお役に立てれば、とても嬉しいです。
実際の相談内容|内容が不公平な公正証書遺言に腹が立つ
60代の男性の相談者は、当事務所が毎週土曜日に実施している無料相談会に、公正証書遺言のコピーを持参して、次のように言いました。
「先日、弟から公正証書遺言のコピーが送られてきました。亡くなった父が自分に黙って遺言書を作っていたということにも驚きましたが、その内容にはもっと驚き、腹が立ちました。」
「確かに弟は亡くなった父と同居をしていましたが、父は自分で生活もできていました。それにもかかわらず、遺産分けの内容があまりに弟に偏っていて、遺言執行者も一方的に弟になっているなど、納得のいかない内容なんです」
「ですから、一度、司法書士の先生に遺言書を見ていただいて、遺言を無効にする手続きを教えてほしいと思い、相談に来ました。」
なぜ「公正証書遺言の無効」は難しいと言われるのか?
私は、相談者が持参した公正証書遺言のコピーに目を通し、「やはり無効にするのは難しいな」と思いました。それは次のような理由からです。
公証人の関与がある
公正証書遺言は、法律のプロである公証人が、遺言者本人の意思や本人確認を直接行った上で作成されているため、仮に裁判になったとしても、証拠能力が極めて高いとされています。
一方で、本人が自分で作成する「自筆証書遺言」は裁判で無効となった例はたくさんあります。
証人の立ち合いがある
公正証書遺言を作成するためには、作成時に2名以上の証人が立ち会う必要があります。
そのため、客観性が担保されており、作成時の本人の様子を、公証人だけでなく証人も目撃していることになります。
証人となるためには、特に専門的な資格は必要はありませんが、今回の直接の相続人などは利害関係があるため証人にはなれないことになっています。
相談者が持参した公正証書遺言のコピーには、証人として司法書士2名が立ち会ったことが記載されていました。
一般人が証人として立ち会ったのではなく、専門家である司法書士が立ち会ったということは、おそらくその司法書士も遺言者本人の意思確認はしているものと推測されますから、なおさら無効にするのは難しいでしょう。
難しい現状を覆す!公正証書遺言が無効になる「2つの裁判例」
上に説明したように、公正証書遺言を無効にすることはかなり難しい点は理解できたと思います。
そのうえで、その難しい現状を覆した、2つの代表的な過去の裁判例を解説します。
遺言能力の欠如(作成時に認知症など)
作成当時、遺言者本人が遺言の内容を理解できる状態ではなかったことの明確な証拠が発覚した場合は、公正証書遺言を無効にできる可能性があります。
認知症の母親に対して、その長男が「全財産を長男に相続させる」遺言書を作成させた事例。母親は裁判所から成年後見の審判を受けていた。
成年後見の審判を受けている場合でも「判断能力が一時的に回復しており」かつ「医師2名の立会」があれば、有効に遺言書は作成できる(民法第973条)ため、医師2名の立会により公正証書遺言を作成した。
しかし、その後の裁判で、作成時に判断能力は一時的に回復していなかったことの証明と、立ち会った医師が認知症とは無関係の医師であったことが判明し、この遺言書は無効となった(東京地裁 令和6年9月11日判決)
「遺言能力の欠如」はたびたび問題になる裁判の論点です。
しかし、これといった決定的な証拠を探すのは難しく、遺言書が無効になることはあまりないといった印象です。
ところが、この判例は、下手に(?)医師を立ち合わせたり、上の判決の概要には書きませんでしたが、遺言作成時に録画記録を残したりしたがために、かえって証拠を残す結果となり、無効となってしまいました。
口授の不備(公証人の読み上げに「うなずいた」だけ)
公正証書遺言を作成するには、遺言者本人がその内容を「口授(くじゅ)」することが必要です(民法第969条)。
「口授」とは、遺言者本人の口から公証人に直接伝えることです。これが無かったことの明確な証拠が判明した場合は、公正証書遺言を無効にできる可能性があります。
入院中であった遺言者本人が、公証人の読み上げる遺言案に対して、ただうなずく等の動作のみで反応したという事例。
相槌程度では「口授」とは言えず、本人の意思表示としては不十分であり、この遺言書は無効となった(最高裁判所 平成13年3月27日判決)
単にうなずくだけでは不十分という趣旨の判決です。
しかし、遺言書に書いてある内容を一字一句公証人に言う必要まではありません。次の判例はそのように述べています。
口授による公正証書遺言の作成に際しては、遺言者が口授した内容を一言一句公正証書に記載するのではなく、遺言の趣旨が口授されれば足りるから、被相続人が本件遺言書の記載をそのまま口授したことが遺言の方式として必要であるかのような原告の主張は、採用することができない(東京地裁 令和6年3月27日判決)
無効を主張するために「集めるべき証拠」と「今後の手続きの流れ」|対処法
公正証書遺言を無効にするためには、単に内容が不公平だとか、相続人らに内緒で作成されたなどは理由になりません。
上記で説明したように、遺言能力の欠如などを証明する証拠を集める必要があります。
必要となる証拠とは|裁判を前提に弁護士へ依頼
たとえば、遺言能力の欠如を証明したいのであれば、本人が入院していた病院の医療記録・カルテ、介護認定通知書、長谷川式スケールの点数、当時の日記や親族間のメールなどの証拠を集めるのが一般的です。
早めに弁護士へ相談して、証拠資料を収集してもらうようにするのが良いでしょう。
今後の手続きの流れ|いきなり裁判というわけではない
以上のように、過去の裁判例から公正証書遺言を無効にしやすいケースとしては「遺言能力の欠如」と「口授の不備」の2つが考えられます。
このどちらに該当する可能性が高かったとしても、いきなり裁判というやりかたは適切とは言えません。裁判は時間も費用も掛かりますし、何より精神的に疲弊します。
解決までのステップとしては以下のようになります。
- 証拠集め
- 親族間での話し合い(遺産分割協議)
- 遺言無効確認訴訟
公正証書遺言があっても、相続人全員の同意によってその内容を変更し、相続することはできます。詳しくは別のページで解説しています。
遺言を無効にできなくても諦めない「遺留分侵害額請求」
たとえ公正証書遺言を無効にできなくても、最低限の遺産を取り戻す「遺留分侵害額請求」という方法があります。
「遺留分侵害額請求」は必ずしも裁判でする必要はありませんが、請求をしたところで任意に支払われることは通常ありません。
ですから、真剣に請求を行いたいという方は早い段階で弁護士に相談されるのが良いでしょう。
「こん・さいとう司法書士事務所」が選ばれる理由
安全な遺言書を作成したい、というお悩みで当事務所が多くの方に選ばれている理由は3つあります。
- 自分の作った(作る予定の)公正証書遺言が後から無効にされたくない不安に応じてもらえる
- 公正証書遺言の作成サポートを迅速・安全に手続きしてもらえる
- パートナー税理士・パートナー弁護士とのスムーズな連携
「公正証書遺言を無効にしたい」という場合は弁護士へ相談されるのが早いです。
一方で、「自分の作った(作る予定)の公正証書遺言を確実に有効なものにしておきたい」というニーズに対応するには、数少ない「相続手続き専門の事務所」への相談が確実です。
やることが多くて面倒な相続の手続きの依頼先をお探しの方から、ホームページを見てのお問合わせが多いのですが、まずは無料相談でお話をお聞かせください。
「こん・さいとう司法書士事務所」に相談をすることで上記のお悩みは解決
以上を踏まえまして、当事務所「こん・さいとう司法書士事務所」が、これまで多くの上記のようなお悩みをお持ちの皆様から、相続の相談・依頼先に選ばれている理由を以下にお伝えします。
- 一般的な司法書士ではなく「相続専門」であるため、一般的な名義変更の手続き(相続登記)だけでなく、その他の相続に関連する裁判所の手続き(後見・補助・保佐開始の申立、遺言書の検認、遺言執行者の選任の審判の申立、不在者財産管理人、失踪宣告、遺産分割の調停の申立、相続財産清算人・管理人の選任など)にも精通しているため安心感がある
- 「相続専門」だからこそ、個別の事例に応じた的確なアドバイスを貰える
- パートナー税理士と連携して相続税の申告や準確定申告にも速やかに対応してもらえる
- パートナー弁護士と連携して弁護士に依頼することにより他の相続人への交渉や、裁判手続きも対応してもらえる
- 弁護士・法律事務所より割安な料金で、しかも弁護士より敷居が低く、相談がしやすい環境にある
- ZOOMによるオンライン対応が可能なため、直接事務所に行けなくてもコンタクトが取りやすい
- eKYCによるオンライン本人確認に対応しているため、遠方からも依頼ができる
- 東京都中小企業振興公社(都内の中小企業を支援する東京都管轄の公的機関)の嘱託相談員であるため身分的な信頼感がある
- 20年以上のキャリアがある司法書士2名(今健一・齋藤遊)体制の為、一般の個人事務所より迅速に対応してもらえる
進め方の分からない・進め方の難しい相続手続きに関する相談先・依頼先を探されている方が、これらの点を1つでもメリットに感じていただくことができたなら、是非一度当事務所の無料相談をご利用ください。

最後に|無料相談の連絡は今すぐ
こん・さいとう司法書士事務所は、遺産相続の手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で20年以上に渡って運営、相続問題・相続に関連する業務に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。
このページでお伝えしたかったポイントは次の3点です。
- 公正証書遺言を無効にするのはかなり難しい
- 「不公平な内容」「内緒で作成された」は無効の理由にはならない
- 「遺言能力の欠如」「口授の不備」は無効の理由になる
あなたの煩雑・複雑な相続の手続きについて、なるべく負担を少なく、そして完璧な内容にしたいとお考えですか?
それならばノウハウを有する経験豊富な私たち相続手続きの専門家をご活用・お任せいただければと思います。
専門知識を有する私たちであれば、さまざまな疑問にお答えできます。また相続に関連する問題・相続税の申告に強い提携の税理士や弁護士もおりますので、全方向のサービス・サポート・代行・紹介が可能です。
当事務所なら、ばらばらに専門家を探す手間が省けます。
いまなら毎週土曜日に面談(対面・非対面)による無料相談を受け付けしています。また無料相談は平日も随時実施しています。
お電話(予約専用ダイヤル042-324-0868)か、予約フォームより受け付けています。メールによる無料相談も行っております。いずれも初回無料ですが誠意をもって対応します。お気軽にご利用ください。

東京司法書士会会員
令和4年度東京法務局長表彰受賞
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員(法務大臣認定司法書士)
公益社団法人成年後見リーガルサポート東京支部会員
家庭裁判所「後見人・後見監督人候補者名簿」に登載済み
公益財団法人東京都中小企業振興公社「ワンストップ総合相談窓口」相談員
公益財団法人東京都中小企業振興公社「専門家派遣事業支援専門家」登録



