【司法書士監修】実家の相続を相談するときに最初に読むページ|手続きやポイントを専門家が解説

2024年11月29日

実家を相続
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「実家を相続することになったがどうすればいいのか?」「実家を相続するときの手続きはどうなるのか?」という漠然とした質問を受けることがよくあります。

たぶん相続ははじめてのことで、何をどこから手を付ければいいのか分からないと言った状況だと思います。

このページでは、創業20年以上、地域随一の相続専門の司法書士事務所である当事務所が、実家を相続するときの手順や気をつけなけれなばらないこと、誰に相談したり依頼すればよいのかなど、よくあるお悩みの解決法を解説します。

まず実家の活用方法について見通しを立てます|今後の計画が大切

初めての相続で何をしたら分からないことだと思いますが、細かい相続手続きのことよりもまずは「実家をどうしたいのか?」を考えることが第一です。これによって今後の手続きも変わってきます。

よくある実家の活用方法・利用の仕方は主に次の4つの選択肢から選ぶことになります。

  1. 自分(相続人)が住む
  2. 自分(相続人)以外の家族が住む
  3. 他人に貸す
  4. 他人に売却して現金化する

当事務所に相談に来られるみなさんは、大体このような感じで、実家の活用を考えています。

田舎の過疎地にある実家の相続についてのお問い合わせは結構多いですね。このページの一番最後で【実例】として紹介しているので最後までお読みください。

相続する実家の活用法1|自分(相続人)が住むと税金が安くなる?

相続する財産の中に実家がある場合、この活用方法として一番多いのが「自分(相続人)が住む」という方法です。

もとから故人(たとえば親)と同居していたので、死亡後もそのまま自分が住み続けると言うパターンです。

あるいは、空き家になってしまうので、相続後は自分が実家に引越しをして、住み続けると言うパターンもよくあります。

どちらにしても相続税を考える上では節税対策の1つとして有効な方法です。

実際には、相続税はほとんどの人には関係のない制度ではあるのですが、もし相続税が発生するほど遺産が多いような場合には、実家を相続してそこに住み続けると言うのは、相続税を安くする方法ではあります。

これを税務上「小規模宅地の特例」と呼んでいるのですが、細かい要件をいくつか満たさないといけないこともあり、前もって税理士に確認する必要があるでしょう。

ちなみに「小規模宅地の特例」を解説しているページとしてはこちらのページが比較的わかりやすかったのでリンクを貼っておきます。

〇実家の相続は相続税がかからないって本当?|つぐなび

相続する実家の活用法2|自分(相続人)以外の家族が住むのは面倒な手続きが…

相続する財産の中に実家がある場合、この活用方法として「自分(相続人)以外の家族が住む」という方法があります。

たとえば、故人の直接の相続人ではない孫や親戚が住むというパターンです。

他人に貸すよりは安心ですし、実家の活用法方法としてはいい選択だと思っています。

ただし、手続としては少し面倒くさいことにはなります。

次の項目で説明しますが、実家を相続するには「名義変更(相続登記)」という手続きを法務局でする必要があるのですが、これは故人から、直接の相続人でない人に、ダイレクトに書き換えることはできないのです。

ですからいったん、故人から相続人の名前に名義変更をした上で、その相続人から孫や親戚の名義にさらに名義変更を行うことになります。

まとめるとこんな感じです。

  1. 故人→相続人へ名義変更
  2. 相続人→孫や親戚など相続人ではない家族へ名義変更

なお、さらにやっかいなのは、「相続人→孫や親戚など相続人ではない家族へ名義変更」については、一般的には「生前贈与」の形をとることが多いので、贈与税が発生することがあります。

この贈与税は高額になることがあるため、この方法をあきらめる方もいました。

もちろん「生存贈与」ではなく「売買」という形をとることもできます。しかし、家族だからと言って相場より極端に安い金額で売買契約を結んでしまうと、税務署から「贈与」とみなされて、結局贈与税を支払う羽目になってしまう可能性もあります。

このように考えると、相続人ではない家族が実家を利用したいというのであれば、まずは相続人に名義変更をして、家族に賃貸するという形が現実的なのかな、と思います。

相続する実家の活用法3|他人に貸すのは慎重に!

相続する財産の中に実家がある場合、この活用方法として「他人に貸す」という方法もあります。

当事務所に相談に来られる相続人の中には、割と安易にこの「他人に貸す」という方法を考えている方が多いです。そのような時は「もっと慎重に考えてください」と注意を促すようにしています。

もちろん相続人やその家族の中で、誰も実家を利用しようと言う人がいない、そして、すぐに実家を売却するつもりもない、というのであれば「じゃあ人に貸そう」となるのは当然です。

しかし、何の知識もない方がいきなり「大家さん」になって不動産管理をするのはほぼ無理ですから、不動産の賃貸管理は業者にお願いすることになるでしょうし、その費用も掛かります。

そして、不動産の管理を業者に依頼するとしても、賃貸中に数々のトラブルが発生する可能性もあり、その一つ一つに対応をしなければなりません。

また他人に貸す場合は「普通借家契約」と「定期借家契約」のいずれかの方法がありますが、このような法律的なことについても事前に知っておく必要が出てきます。

ですから他人に貸すという方法を検討する際は、慎重な判断が求められるわけですね。

相続する実家の活用法4|他人に売却して現金化してしまうのは定番の方法

相続する財産の中に実家がある場合、この活用方法として二番目に多いのが「他人に売却して現金化する」という方法です。そしてその現金を相続人で分けるというパターンもあります。

専門家の視点から言わせてもらうなら、上で説明した「他人に貸す」くらいなら売ってしまった方が問題は一遍で片付きますので、簡易簡潔に済むと思います。

ただし、売却と言っても「いまが売り時なのか?」という問題はありますし、他人に貸した場合の見込み賃料収入額売却代金(現時点での実家の価値)を比較して「はたしてどっちが得なのか?」という問題もあります。

ですから、貸すか売るかの判断は、実家を相続した相続人、あるいは相続人全員がお互いの意見を聞いて真剣に考えるべきことなのでしょう。

実家の価値をどう判断するかについては、すぐ下で検討しますね。

実家の相続で必要な手続きを2つ覚えておきましょう

ところで、はじめて実家の相続問題に直面している方も多いと思いますので、実家の相続で必要な法律上の手続きを2つだけ覚えておいてください。2つだけなら覚えられますよね。

  1. 実家の名義を相続人に変更する(「相続登記」と言います)
  2. 実家を含めた故人の遺産の分け方を話し合います(「遺産分割協議」と言います)
「あれ?相続税の手続きも必要じゃないの?」となるかもしれません。下で解説しますが、必要な人とそうでない人がいます。必要なのは、割合的には10人中1人くらいという財務省のデータがあります。

では順番に解説します。

上で説明した4つの方法のどれにするにしても必ずいったん相続人へ名義変更が必要

たとえば実家が新宿区にある場合は、新宿の法務局(役所)に行って、名義変更の手続きをする必要があります。これを「相続登記」といいます。

「相続登記」は罰則付きで義務化されていますので、相続が発生した以上は必ずやらなければなりません。省略する手段はありません。期限もあるので早めに終わらせましょう。

「相続登記」の一般的なやりかたについては、法務省のホームページにありますので、リンクを貼っておきます。

〇相続登記・遺贈の登記を申請される相続人の方へ(登記手続ハンドブック)|法務省

よく「相続登記は自分でも簡単にできますか?」と聞かれるのですが、こちらの法務省のホームページを見ていただいて、ご自分で検討してみてください。

「読んでわかれば自分でもできます」とお答えしています。

しかし、世間一般で、相続登記を自分でやる人はほとんどいません。失敗すると取り返しがつかないことになる可能性もあるからです。では、誰に頼めばいいのかと言いますと「司法書士」です。

よく「行政書士」と混同されますが、「相続登記」を行えるのは「司法書士」のみと法律で定められています。

名義変更をする前提として、遺産分けの話し合いが必要です|難航することも…?

そして相続登記をする前提として必要になってくるのが、実家を含めた故人(法律上は「被相続人」と言います)の遺産分けの話し合いです。

これを「遺産分割協議」と言いまして、最終的に「遺産分割協議書」という書類にまとめて、相続登記の時に他の書類とあわせて提出することになっています(通常は司法書士が協議の内容をまとめて書面にします)。

たとえば土地や建物を法定相続分で分けるなら必ずしも遺産分割協議書は必要ありませんが、紛争の蒸し返し防止のためにも作成することをおすすめします。

そもそも単純に相続してしまっていいのかという問題|多額の借金がある場合

話しが前後するようですが、「そもそも遺産を相続してしまっていいのか」という問題が発生することがまれにあります。これは被相続人に多額の借金がある(あることが疑われる)場合です。

相続においては不動産や預金などの財産だけでなく、借金もあわせて相続することになってしまうため、慎重な判断が求められます。

相続放棄の手続きは時間との勝負

「不動産や預金だけ相続して借金だけ放棄する」ことは法律上認められていません。もし借金を相続するのがどうしても納得できないというのであれば「相続放棄」という方法を取る必要があります(そのかわり不動産や預貯金を相続する権利も失いますが)。

相続放棄は、相続人が複数の場合であっても、各人がそれぞれ単独でできます。ただし、家庭裁判所での手続きが必要ですし、3か月以内という期限もありますので、速やかに行わなければなりません。

限定承認をやる人は普通いない

なお、故人に借金があるが、借金の額が不動産や預貯金などの財産よりも高額なのかどうかはっきりしない場合は「限定承認」という手続きを家庭裁判所ですることもできます。

また、借金の有無がはっきりしない状態の場合にも、限定承認の方法はおすすめできます。

ただ、限定承認は相続人全員が共同して行わなければならない手続きで、時間も費用もかかることから、一般的にはほとんど利用されていない手続きです。

遺産分けの話し合いはどうやって進めていけばいいのだろうか…

もちろん、故人に借金がなければ普通に遺産を相続する前提で、遺産分けの話をすることになります。

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。相続人全員が一堂に集まって会議形式に行う必要はありません。電話連絡やメールなどのやり取りであっても問題ありません。

一番重要なのは「相続人本人が遺産分けについて意思表示をしている(最終的には遺産分割協議書に署名押印する)」ことです。

遺産分割でよくある困りごとは次の通りです(当事務所でのスタンダードな実例です)

  1. 相続人に認知症の方がいる
  2. 相続人に海外在住の方がいる
  3. 相続人に行方不明の方がいる
  4. 相続人に話し合いに応じない人がいる

いずれかに当てはまってしまう場合は、自分で相続手続きを進めるのはほぼ無理です。相続専門の司法書士や、場合によっては弁護士に依頼しなければなりません。

というのは、いずれの場合も、解決方法はあるのですが、法律で決められた解決方法を取らなければならないからです。その方法は一般の方では対処が困難で、専門家に依頼せざるを得ないと言ったところが現状でしょうか。もちろん普通の相続より時間もお金もかかります。

「署名押印できない人がいるならできる人が代わりにすればいいじゃないか」と言われることもあるのですが、そんなことをしても法律上は無効です。

ちなみに上であげたよくある困りごとの一般的な解決方法はこのような感じになります。

  1. 相続人に認知症の方がいる→成年後見人の選任の申立てなど
  2. 相続人に海外在住の方がいる→サイン証明や在留証明書の手配など
  3. 相続人に行方不明の方がいる→不在者財産管理人の選任の申立てや失踪宣告の申立てなど
  4. 相続人に話し合いに応じない人がいる→遺産分割調停の申立てや代理人(弁護士)同士の協議など

認知症問題のお問い合わせは、以前よりも増えています。

実家を相続するときはこの2つに気を付ける!

それでは、もしあなたが実家を相続するとなった場合に気を付けた方がよいことを2点だけ解説します。

まずは実家の価値を把握すること

実家には「値札」が貼ってあるわけではありませんから、まずは現時点でどの程度の価値があるのかを正確に知る必要があります。

相続人同士で遺産分割協議をする場合は、特に争いがない限り「固定資産税評価額(毎年贈られてくる「固定資産税の納付書」に記載されている価額)」を不動産の金額として話し合いをすることがほとんどです。

ただし「固定資産税評価額」は実際の取引相場とは違います。取引相場と比べると安い金額である場合が多いです。

そこで「固定資産税評価額」よりは高い金額の「相続税路線価」を不動産の金額として話し合いを進めることもあります。この金額は相続税申告が必要な場合に、不動産の金額として基準となる金額です。

さらにこれよりも高い金額となると「公示価格」というものもあります。これはすべての不動産に割りつけられている金額ではありませんが、実際の取引相場の金額です。

自宅に「公示価格」がなければ(ないほうがほとんどですが)、不動産会社に査定の依頼をすることになります。

ただ、物件の査定金額は、どの不動産仲介会社も自社では高値で売れることを印象付けたいので、相場よりも高額を提示してくることが多いです。

このように「実家の価値を算定する」と一言に言っても、その基準もそれぞれで、非常に難しいことが分かるかと思います。少なくても2~3社の査定見積をして、その平均を出すのが最も客観的な金額と言えるでしょう。

実家を相続するのに税金はかかるのか?

相続するのに必ず相続税がかかるという誤解はなかなか解消されません。当事務所への相談も「相続税の申告もセットでお願いします」というケースがほとんどです(もちろん当事務所にはパートナー税理士が複数おりますので全方向の対応ができます)。

しかし、実際に遺産を調査・計算してみると、相続税の申告が必要となる事案はあまり多くありません。申告が不要であれば、相続しても税務署に何も届け出る必要はなく、相続した財産について確定申告も不要です。

財務省の公式サイトに以下ような記載があります。

相続税は、財産を相続した場合に必ずかかるわけではありません。具体的には、相続した財産の額から、借金や葬式費用を差し引くなどした後の額が、一定の額(基礎控除額)を上回るときに、相続税がかかります。なお、実際に相続税がかかった方の割合は、亡くなられた方の9.6%程度です(令和4年)。   |財務省 親が亡くなりました。遺産を相続する場合にどのような税金がかかるのですか?

ただし、注意しなければならないのは、相続税がかからなくても「申告自体は必要なことがある」という点です。

つまり小規模宅地の特例等、税制上の特例措置を適用した上で相続税がかからないような場合は、特例を適用する旨を税務署に申告する必要があるのです。

このような申告についても当事務所のパートナー税理士であればご対応は可能です。

【実例】田舎の過疎地にある実家の相続|解決事例です

事務所によくあるご相談として「田舎の過疎地にある実家」の相続問題があります。

  • 田舎に戻って実家に住むことは考えられない
  • 実家は過疎地にあるため売却は難しいと思う

などの理由で実家を相続することをためらっているようなケースです。都市部ではこのような問題にはならないので(金額の大小は別として売却はできるため)、地方にある不動産の独自の問題だと思われます。

解決法はまさにケースバイケースです。実家の立地条件や老朽化度合い、相続人の将来設計などによって変わってきます。

また実家のある自治体に「空き家バンク(リンク先|国土交通省のHPに説明がありますのでご参照ください)」が創設されているか等も検討材料になります。

当事務所でもこれまでいくつかの案件を扱ってきましたが、「最終的に相続放棄をした」という事例を別のページで紹介していますので、もしよろしければご参照ください。

「こん・さいとう司法書士事務所」が選ばれる理由

以上を踏まえまして、当事務所「こん・さいとう司法書士事務所」が、これまで多くの上記のようなお悩みをお持ちの皆様から、実家相続の相談先・依頼先に選ばれている理由を以下にお伝えします。

  • 一般的な司法書士ではなく「相続専門」であるため、相続に関連する裁判所に関する手続き(成年後見人の手続き、遺産分割の調停の申立、相続放棄、相続財産管理人の選任など)にも精通しているため安心感がある
  • パートナー税理士と連携して相続税の申告にも速やかに対応してもらえる
  • パートナー弁護士と連携して他の相続人への交渉や、裁判手続きも対応してもらえる
  • 弁護士・法律事務所より割安な料金で、しかも弁護士より敷居が低く、相談がしやすい環境にある
  • ZOOMによるオンライン対応が可能なため、直接事務所に行けなくてもコンタクトが取りやすい
  • eKYCによるオンライン本人確認に対応しているため、遠方からも依頼ができる
  • 東京都中小企業振興公社(都内の中小企業を支援する東京都管轄の公的機関)の嘱託相談員であるため身分的な信頼感がある
  • 20年以上のキャリアがある司法書士2名(今健一・齋藤遊)体制の為、一般の個人事務所より迅速に対応してもらえる

実家の相続に関する相談先・依頼先を探されている方が、これらの点を1つでもメリットに感じていただくことができたなら、是非一度当事務所の無料相談をご利用ください。

ご相談お待ちしております! 左|司法書士 今健一  右|司法書士 齋藤遊

最後に|無料相談の連絡は今すぐ

私たちは、実家の相続をはじめとする遺産相続の手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で20年以上に渡って運営、相続問題・相続に関連する業務に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでお伝えしたかったポイントは次の3点です。

  • 遺産分けの前に実家をどう利用するかの見通しが大切
  • 実家の名義変更は省略できないので速やかに済ませること(罰金あり)
  • 相続税がかかるのは全体の10%にも満たない

実家の相続手続きを確実に行いたいのであれば、ノウハウを有する経験豊富な私たち相続手続きの専門家をご活用・お任せいただければと思います。

専門知識を有する私たちであれば、さまざまな疑問にお答えできます。また相続に関連する問題・相続税の申告に強い提携の税理士や弁護士もおりますので、全方向のサービス・サポート・代行・紹介が可能です。当事務所なら、ばらばらに専門家を探す手間が省けます。

いまなら毎週土曜日に面談(対面・非対面)による無料相談を受け付けしています。また無料相談は平日も随時実施しています。
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