【司法書士監修】相続土地国庫帰属の負担金はいくらかかる?詳細が明らかに

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「相続土地国庫帰属法」が令和5年4月27日から施行されます。しかしこの法律では詳しくされていなかった点が、いくつかありました。それが、この度、ようやく明らかになりました。

その名も「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令(政令第316号)」と言います。

このページでは、創業20年の相続専門の司法書士事務所が、今回成立したこの政令の概略をいち早く解説します。

法律には規定されていなかった「負担金はいくらかかるのか?」が、ようやく明らかとなり、この制度の利用を検討している相続人皆さんのこれまでの疑問点が解決すると思います。

このページの情報が、「相続したいらない土地」問題で悩んでいるかたの参考になれば幸いです。

なお「相続土地国庫帰属法」のキホンが知りたい方は、別のページでお伝えしていますので、そちらもチェックしてみてください。

負担金は土地の「現況」によって金額が異なる

この制度を利用する場合は、国に対して負担金を納付する必要があります。納付するタイミングは、無事に国庫への帰属が承認された後、申請者に対し「承認通知」とあわせて「負担金の納付通知」がされ、その通知を受けてから30日以内です。

負担金とは、国がこの土地を管理するのにかかる費用のことです。土地の管理費用とは、具体的には柵・看板設置費用、草刈、巡回費用などを指します。

この負担金は、10年分の土地管理費用相当額ということですが、10年ごとに納めるというものではなく、最初の1回のみ納付するものとなります。

そして、その具体的な金額は、土地の区分(利用のされ方)によって4つのパターンがあります。

  1. 宅地
  2. 農地
  3. 森林
  4. 上記以外の土地

イメージとしては、負担金が一番高いのは宅地、その次に農地、森林といった順番になります(宅地>農地>森林>その他の土地)。それでは具体的な金額を、土地の区分ごとに見ていきましょう。

「宅地」の負担金は28万8000円~|結構高い

まずは宅地の負担金です。ここでいう宅地とは、以下のような要件を満たす土地を言います。

宅地(その現況及び従前の使用状況に照らして直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地をいう。)のうち、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化区域の区域(同項に規定する区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域にあっては、同法第八条第一項第一号に規定する用途地域が定められている土地の区域。次号において同じ。)内にあるもの|政令第4条第1項第1号(e-Gov法令検索)

要約しますと、「市街化区域および用途地域が定められている宅地」となります。普通の住宅地であれば、問題なく宅地に該当します。

宅地に該当するか否かは、登記記録上(一般的に登記簿と呼ばれるもの)の「地目」を調べて確認する方法があります。こちらに「宅地」とあれば、「宅地」として負担金を計算します。

なお、登記記録上「山林」や「雑種地」となっていても、実際には「宅地」として使用していれば、「宅地」として負担金を計算することになることが考えられます(現況は「固定資産税評価証明書」などから調べることができます)。

現時点では、登記記録上の「地目」だけではなく、その現況や従前の使用状況に照らして、「宅地」に該当するかどうかを判断することが想定されています(月報司法書士No.609)。

また、このように登記記録上の「地目」と現況が違っていても、承認申請の前提として、これを一致させる変更登記手続きは不要と考えられます(月報司法書士No.609)。

さて、宅地の負担金は次の表のとおり、面積によって計算方法が異なります。

面積 納付すべき負担金
50㎡以下 (面積×4,070円)+208,000円
50㎡超~100㎡以下 (面積×2,720円)+276,000円
100㎡超~200㎡以下 (面積×2,450円)+303,000円
200㎡超~400㎡以下 (面積×2,250円)+343,000円
400㎡超~800㎡以下 (面積×2,110円)+399,000円
800㎡超 (面積×2,010円)+479,000円

例えば、150㎡の宅地であれば、(面積150㎡×2,450円)+303,000円=670,500円となり(表の3段目で計算)、1000円未満の端数は切り捨てますので(政令第4条第2項)、結果670,000円の負担金となります。

このように、宅地を放棄するためには、かなり高額の負担金が必要となります。

ですから、宅地であれば、立地条件にもよりますが、地元の不動産業者に相談して買い手を探してもらうか、近隣の住民に引き取ってもらうなどの方法を検討してもよいかもしれません。

「農地」の負担金は20万8000円~|面積が広いと結構な金額に

次に農地の負担金です。ここでいう農地とは、以下のような要件を満たす土地を言います。

主に農地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地をいう。)として利用されている土地のうち、都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域の区域内、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域内又は土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業若しくはこれに準ずる事業として法務省令で定めるものが施行される区域内にあるもの|政令第4条第1項第2号(e-Gov法令検索)

もう少し要約しますと、「市街化区域・農用地区域・土地改良事業などの区域内で主に農地として利用されている土地」となります。

農地に該当するか否かは、登記記録上(一般的に登記簿と呼ばれるもの)の「地目」を調べて確認する方法があります。こちらに「田」や「畑」とあれば、「農地」として負担金を計算します。

相続人からすると、田、畑は不要な土地となりやすく、承認申請もこのような土地について多くなされることが予想されます。

さて、農地の負担金は次の表のとおり、面積によって計算方法が異なります。

面積 納付すべき負担金
250㎡以下 (面積×1,210円)+208,000円
250㎡超~500㎡以下 (面積×850円)+298,000円
500㎡超~1000㎡以下 (面積×810円)+318,000円
1000㎡超~2000㎡以下 (面積×740円)+388,000円
2000㎡超~4000㎡以下 (面積×650円)+568,000円
4000㎡超 (面積×640円)+608,000円

例えば、150㎡の農地であれば、(面積150㎡×1,210円)+208,000円=389,500円となり(表の1段目で計算)、1000円未満の端数は切り捨てますので(政令第4条第2項)、結果389,000円の負担金となります。

農地は面積が広い場合が多く、その場合は負担金も増えますから注意が必要です。

「森林」の負担金は21万円~|総額は低めに設定されている

次に森林の負担金です。ここでいう森林とは、以下のような要件を満たす土地を言います。

主に森林として利用されている土地|政令第4条第1項第2号(e-Gov法令検索)

要件という程でもありませんね。法律上も厳密には規定していません。

森林に該当するか否かは、登記記録上(一般的に登記簿と呼ばれるもの)の「地目」を調べて確認する方法があります。こちらに「山林」とあれば、「森林」として負担金を計算することになります。

相続人からすると、森林も不要な土地となりやすく、承認申請も多くなされることが予想されます。

ただし、何の管理もされてなく、ただ放置されているような森林は、この制度を利用して国への放棄はできない方針のようですから、相続人の方は注意が必要です。

管理が不十分又は放棄された山林などについては、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要することとなり、承認することは困難であるため、政令案については、原案どおりとさせていただきます。|法務省パブリックコメントNo.28

また、法務省は次のようにも説明をしています。

山林を取得した相続人が当該山林の場所を把握していないような場合については、法第2条第3項第5号の「境界が明らかでない土地」に該当するものとして、承認申請ができない可能性があります。|法務省パブリックコメントNo.29

当事務所に相談される相続人の多くは「その山には行ったこともない」というケースです。そうなると放棄は難しそうですね…。

ただし、法務省は次のようにも説明しています。

政令案第4条第 1 項第3号の「主に森林として利用されている土地」の該当性については、法第6条に規定する事実の調査や、法第7条に規定する資料の提供要求等によって、判断することを予定しています。相続人が管理を行っていない山林についても、調査等の結果、政令案第4条第1項第3号の「主に森林として利用されている土地」に該当する可能性もあります。|法務省パブリックコメントNo.43

結局、どちらなのか、はっきりしません。

さて、森林の負担金は次の表のとおり、面積によって計算方法が異なります。

面積 納付すべき負担金
750㎡以下 (面積×59円)+210,000円
750㎡超~1500㎡以下 (面積×24円)+237,000円
1500㎡超~3000㎡以下 (面積×17円)+248,000円
3000㎡超~6000㎡以下 (面積×12円)+263,000円
6000㎡超~12000㎡以下 (面積×8円)+287,000円
12000㎡超 (面積×6円)+311,000円

例えば、150㎡の森林であれば、(面積150㎡×59円)+210,000円=218,850円となり(表の1段目で計算)、1000円未満の端数は切り捨てますので(政令第4条第2項)、結果218,000円の負担金となります。

宅地や農地に比べれば、もし面積が広くてもそれほど高額の負担金にはならないでしょう(それでも一般的な感覚からすると高額ですが)。

「それ以外の土地」の負担金は一律20万円|原野はこれに該当か

「それ以外の土地」とは、登記記録上の地目で言えば「原野」や「雑種地」などが考えられます。

例えば、原野商法により故人が騙されて買わされたような土地は、これに該当する可能性があります。

さて、「それ以外の土地」の負担金は、面積にかかわりなく、一律20万円となります。

なお、特に原野や雑種地は2つ以上の土地が隣接している場合が多いです。たとえば、100番の土地と、101番の土地のようにです。この場合、1つの土地ごとに20万円の負担金がかかるとなると、合計40万円かかってしまいます。

そこで、このような場合、負担金を軽減する措置として、同じ区分の土地が隣接しているのであれば、あわせて1つの土地とみなして負担金を計算するように申し出ることができます(政令第5条)。その結果、負担金は20万円で済むことになります。

この措置は、「宅地」「農地」「森林」でも使える方法ですが、特に「原野」においてそのニーズが高くなりそうだと思います。

なお、「それ以外の土地」といっても、登記記録上の地目が「墓地」や「境内」は、この法律を適用して国に放棄することはできませんのでご注意ください(政令第2条)。

国庫帰属の承認申請は、法務局へ書類を提出しなければなりません

負担金の具体的な計算方法は理解できましたでしょうか。

国庫帰属の承認申請は、添付書類を揃えたうえで、申請書を作成し、管轄の法務局へ提出しなければなりません。特に、どのような土地であれば承認申請ができるかについては、いまだ曖昧な点も多く、その具体例や法務局側の判断基準は今後示されるものと思われます。

申請書に貼る収入印紙代は別にかかります

承認申請書には、手数料として収入印紙を貼付しなければなりません。収入印紙代がいくらになるかは、現時点ではまだ不明です。

なお、この収入印紙代は上でお伝えした負担金とは別にかかるものです。

国が相談窓口を設置するとの情報も

また、承認申請が可能かどうかについて、可能な範囲で事前に確認することができるようにするための相談窓口を国が設置することも予定されており、実際には制度がスタートしてみないとまだまだ不明な点は多いと言った状況です。

本意見照会の対象外ではありますが、個別の事案における法第2条第3項各号の却下事由又は法第5条第1項各号の不承認事由の有無について、可能な範囲で事前に確認することができるようにするための相談窓口を設置することを予定しています。|法務省パブリックコメントNo.74

いずれにしてもかなり専門的な手続きになることは予想されます。

国庫帰属の承認申請は司法書士に依頼できます

国庫帰属の承認申請は、相続人が自ら行うことももちろんできます。ただし、上でお伝えしましたように、かなり専門的な内容になることが予想されます。

国庫帰属の承認申請は「法務局」に対して行います。「法務局」に提出する書類の作成は、司法書士に専属する業務です。依頼先は司法書士となります。

その中でも、相続を専門に扱っているような司法書士事務所を選択されると宜しいかと思います。

新制度の施行に備えて、とりあえず相続登記はやっておくべき

いま現に相続した不要な土地がある場合、どうすればよいのでしょうか?

「相続土地国庫帰属法」が施行されるのは、令和5年4月27日からですが、それまでに何をしておけばよいのでしょうか。

もしすでに相続が開始していながら相続登記の手続きが放置されているものについては、速やかに相続登記を済ませておくことをお勧めします。

なぜなら、令和6年4月1日より相続登記が義務化されるからです。もし相続登記が放置されている場合、最高で10万円の罰金(正確には過料)の対象となります。

相続登記さえ済ませておけば、「相続登記を義務付ける法律」が施行されても罰則の適用を受けることはありませんし、速やかに「相続土地国庫帰属法」に基づいて国庫への申請手続きが行えます。

ご相談お待ちしております! 左|司法書士 今健一  右|司法書士 齋藤遊

さいごに|いまなら無料相談が受けられます

私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでは、「【司法書士監修】相続土地国庫帰属の負担金はいくらかかる?詳細が明らかに」と題して、相続手続き専門の司法書士の立場から、まさに今あなたが困っていることについて、知っておくべきことを解説しました。

このページでお伝えしたかったことは次の3点です。

  • 令和5年4月27日から「相続したいらない土地」を国へ放棄できるようになること
  • 負担金の金額の計算方法が明らかになったこと
  • 「相続登記」も「国庫帰属の承認申請」も司法書士に依頼できること

放置しておいた相続登記を速やかに行うためには専門的な知識が必須となります。ぜひそのような問題を解決する場面で私たち相続手続きの専門家をご活用いただければと思います。

専門知識を有する私たちであれば、疑問にお答えできます。また相続問題に強い提携の税理士や弁護士もおりますので、全方向の対応が可能です。

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*「相続土地の国庫帰属の承認申請」について非常に多くのお問い合わせをいただいております。当事務所の報酬費用などについては手続きの概要が明らかになった際に、公式ホームページで速やかにご案内いたします。しばらくお待ちください。

無料相談をしようか迷われる方がいらっしゃいましたら、無料相談のページでより詳細な内容をご案内しております。是非ご覧ください。