エンディングノートと遺言書で簡単に終活できる方法があるのですが

60代男性
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もしもの時に役立つとエンディングノートを買ったものの、手つかずになっていませんか?

エンディングノートだけで終活が終わったと思っていませんか?

結論からお伝えすると、エンディングノートだけでは終活は不十分です。法的な効力もありません。ではどうすればよいか。

遺言・相続手続きを専門とする当司法書士事務所は、過去20年にわたって同じようなお悩みを抱える方に対して有効なアドバイスを行い、円満な相続のお手伝いをしてきました。

このページでは、「エンディングノートと遺言書の併用で簡単に終活できる方法」について解説します。

いざという時に家族に迷惑をかけたくない方、エンディングノートと遺言書の違いが分からない方、とにかく簡単に法的に有効な終活がしたい、どなたにも役立つ情報です。

エンディングノートだけ・遺言書だけ・どちらも微妙

冒頭でお伝えした通り、エンディングノートだけ用意しても終活としては不十分です。一方で、遺言書だけ用意しても、やはり終活としては不十分なのです。

つまり、どちらか一方だけ準備をしても、これらを残された家族としては対応に困ることがある、ということです。なぜそのような結果となるのか、法的な知識も多少理解する必要がありますので、必要な点だけを紹介します。

そもそも終活準備している人は少ないというデータ

終活という言葉はいまや誰でもが知るキーワードとなりましたが、実際にどれだけの方がエンディングノートや遺言を準備しているのでしょうか。

ここに興味深いデータがあります。楽天インサイトが2018年に全国の20代から60代の男女1,000人を対象に行った「終活に関する調査」です(調査結果の詳細はこちら)。

実際に「遺書」または「エンディングノート」を用意しているかを聞いたところ、「用意していない」と答えた人が

遺書

90.0%

エンディングノート

86.0%

 

となりました。つまり、約9割の方は「どちらも用意していない」ということです。調査対象範囲を70代まで広げればもう少し違った結果になるはずですが、このデータから重要なことがもう一点わかります。

それは「わずかではあるが遺書よりもエンディングノートの方が多く利用されている」ということです。

ちなみに「遺書」も「遺言書」も同じです。「遺言書」は法律的な正式名称です。”いごんしょ”と読みます。

エンディングノートは書店や文具店などでも気軽に手に入れることができるので、それだけハードルが低く、利用率が高くなるのは当然と思えます。

反対に、遺言・遺書というと、少々おおげさな印象も受けますし、何より「難しそう…」と、利用に積極的になれないのかもしれません。

事務所のお客様でよくあるパターン

当事務所のお客様でよくある事例としては…

  • エンディングノートを作ったが、それだけでは不安になり遺言書を作成されるパターン
  • 遺言書を作成した後に、遺言書では足りない点をエンディングノートで補うパターン

どちらかというと前者のパターンが多いですが、いずれにしても両方を同時に作成されるという方はわずかです。当事務所では両方の作成をお勧めしていますが、片方だけ作成した場合、具体的にどのような不都合が起こるのでしょうか。

エンディングノートだけでは相続で失敗

市販されているエンディングノートには様々な種類がありますが、主に次のような内容を書き込むだけのものとなっています。

  1. 自分の生い立ちや家族について
  2. 資産について(銀行口座や保険・年金など)
  3. 友人・知人について
  4. 告知・延命治療について
  5. 介護について
  6. 葬儀・お墓について

すでにエンディングノートが完成している方もいるかもしれませんが、この中に「遺産の分け方について」はありません。もちろんノートの種類によっては、遺産の分け方について記入欄が用意されているものも存在します。

しかし、仮にエンディングノートに遺産の分け方についてあなたの希望を書き込んだとしても、それがそのまま「遺言書」となるわけではなく、希望通りには相続されません。

遺言が法律的に有効となるためには、全文を手書きしなければなりませんし、名前、日付、印を押さなければなりません。

もちろんこれらの様式をすべて備えているのであれば、エンディングノートに記載された内容も遺言(自筆証書遺言)として有効となる余地はあります。

しかし例えば、ノートの項目「自宅」の欄に「息子へ」と単に書き込んだというだけでは法律的な遺言としては認められません。

つまり、エンディングノートは主に介護や終末医療では十分な効果を発揮しますが、法律上相続では役に立たないということです。

遺言書だけでは介護や終末医療の希望はかなわない

遺言書について法律上の効果が生じるのは、遺言書を書いたあなたが亡くなった時からです。反対にあなたが亡くなる前は、何の効果も生じません。

病気の告知や延命治療、介護に関することは、あなたが亡くなる前の話なので、遺言書に書いても何の意味も無いことになります。

遺言書は「あなたの財産を誰が相続するか」という死後の問題にはこれ以上ない効果を発揮しますが、生前に生じる問題には何の役にも立ちません。

なお、葬儀・お墓に関することは死後の問題ですから遺言書に書くこともできます。しかし例えば「散骨を希望します」と書いても、法律上の効果は生じません。つまり相続人は他の埋葬方法を選択しても法律上構わないという事です。

なぜなら、遺言書に書くことによって法律上の効果が生じる(法的な拘束力がうまれること)は、予め法律で決められた事項に限られるからです。遺言書に書くことによって法的な効力が生じる内容(遺言できる事項の範囲)は下記の通りです。

【遺言書に書くと法的な拘束力が生じる事項】
1、未成年後見人の指定(民法第839条)
2、未成年後見監督人の指定(民法第848条)
3、相続分の指定(民法第902条)
4、遺産分割の方法の指定(民法第908条)
5、遺産分割の禁止(民法908条)
6、遺産分割における共同相続人間の担保責任の定め(民法第914条)
7、遺言執行者の指定(民法1006条)
8、子の認知(民法第781条)
9、相続人の廃除(およびその取り消し)(民法第892条)
10、財産の譲渡(生前贈与・遺贈)(民法第964条)
11、特別受益者の持ち戻しの免除(民法第903条)
12、一般財団法人の設立(一般社団法第152条)
13、信託(信託法第3条)

たとえば、誰にどの財産を相続させたいかは、上記で言うと「3、相続分の指定」や「4、遺産分割の方法の指定」にあたります。遺言書には書きたいことを書けますが、法律上の効果が生じるのは上記の13個の事項です。

悩むよりエンディングノートと遺言を両方作れば簡単

ここまでの内容をまとめると次のようになります。

  • エンディングノートだけでは相続問題を解決できない
  • 遺言書だけでは私自身の介護や終末医療に対応できない

つまり、遺言書とエンディングノートのどちらか一方だけを準備しても安心できる終活とは呼べないということです。それではどうすればよいかですが、簡単な方法があります。

それは、エンディングノートと遺言書を両方とも準備しておくという方法です。「手間が2倍になるじゃないか」と思われるかもしれませんが、それはあなたが全部を完璧にやろうとするからです。

やり方次第で、誰でも簡単に満足な終活を行うことができます。

エンディングノートには介護や終末医療を中心に書く

エンディングノート

まず、エンディングノートを端から端まで完璧に記入しようと思わない事です。市販のエンディングノートは、専門家の私から見てあまりにも記入しなければならない項目が多すぎて「これでは途中で挫折するだろうな」というものばかりです。

たとえば「自分の生い立ちについて」というページ。確かにあなたの「自分史」のようなものを家族はこれまで目にすることはなかったわけですから、その内容は家族にとって興味深く、決して無駄な項目とは思いません。

しかし、家族があなたのことで最もあなた自身に決めてほしいと思っていることは「告知・延命治療・介護・お墓」なのです。

ですから、エンディングノートには「告知・延命治療・介護・お墓」を中心に記入するようにします。これ以外のことについては、気の向いたときに追記するという方法でよろしいでしょう。

つまり、エンディングノートを1ページ目から順番に記入していくことはあまり意味のないことで、「告知・延命治療・介護・お墓」から先に記入していくべきである、ということです。優先度の高いものから記入するのがコツです。

遺言書には相続に関することを中心に書く

遺言公正証書

エンディングノートとは別に遺言書も用意します。遺言書は公正証書で作ることもできますが、自筆証書で作ることもできます。自筆証書とは、全文を自署するという方法です。証人や立会人は要りませんから、今すぐにでも作ることができます。

遺言を書く用紙に決まりはありません。どんな紙でも大丈夫です。難しいことが分からなければ、遺言書には基本的に財産に関することだけを書くようにします。日付と氏名、印を忘れないようにしてください。印は認印でも実印でも大丈夫です。

とにかくすぐに終活を終わらせたいというのであれば、最小限の項目をエンディングノートに記入して、自筆証書の遺言書を用意すればこれで完了です。

遺言書の作成を失敗したら終活の意味がない

これまでお伝えした簡単な終活のやりかたをまとめると次のようになります。

  • エンディングノートには介護と終末医療を中心に書く
  • 財産のことは自筆の遺言書を書く

一見すると簡単なように見えますが、実は落とし穴があります。エンディングノートを書くことに失敗することはないと思いますが、遺言書は法律的な内容ですから、自分が気付かない失敗をする可能性があるということです。

遺言書を失敗しない方法はあるのでしょうか。

1.自筆の遺言書にこだわるなら「法務局の保管制度」を利用

手軽で費用も掛からない自筆の遺言書の作成にこだわるなら、「法務局の保管制度」を利用する方法があります。令和2年から始まったまだ新しい制度ですが、自筆で作った遺言書を法務局で預かってもらうことができます。

法務局で預かってもらう際に、窓口の方に「遺言書に形式的な不備が無いか」をチェックしてもらうことができます。これにより少なくとも形式的な不備を理由として遺言書が無効になることを防止できます。

ただし、遺言書の内容については何のアドバイスも受けることはできません。具体的にどのような内容にすれば良いのか、については法務局でのアドバイス・相談は受けられないので、あなたが自分で考えるしかないことになります。

法務局の保管制度につきましては、当事務所の別のページで詳しく解説しています。

自筆証書遺言の保管制度のすべて|最新版【司法書士監修】

自筆証書遺言の保管制度のすべて|最新版【司法書士監修】

2.自筆の遺言書にこだわるなら「内容チェック」を専門家に依頼

遺言書の内容・具体的な書き方に自信のない方は、専門家のアドバイス・サポートを受けながら自筆の遺言書を完成させるのが良いでしょう。

書籍やインターネットでも遺言書の書き方の情報は得ることはできますが、それは一般的な書き方です。あなた自身がそのような内容で良いかどうかは専門家にチェックしてもらわなければ正確なことは分かりません。

エンディングノートに書くことはあなた自身のことですが、遺言書に書くことはあなたの家族のこと(誰がどのように遺産を承継するのか)です。法律的な不備があったり、内容に誤りがある遺言書は、相続開始後にあなたの家族を本当に困らせる結果となります。

自筆の遺言書にこだわる方は、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

3.失敗したくないなら「公正証書遺言」を利用

自筆の遺言書にこだわりがない、費用は掛かっても遺言で失敗したくない、というのであれば「公正証書遺言」の利用をお勧めします。

「公正証書遺言」とは簡単に言えば、あなたの代わりに公証人が作成してくれる遺言のことです。内容についても多少のアドバイスが受けられますし、何より「公証人」が作成するので、いざ相続が開始した後に

  • 「この遺言書は本人のものでは無い!」
  • 「本人がこんな遺言書を残すわけない!」
  • 「筆跡が本人とは違う!」

などという言いがかりを付けられる心配がありません。つまり後から遺言が無効になることは、原則として考えられないという事です。

ただし、公証役場も例えば相続税や具体的な遺留分・特別受益・寄与分のような問題に対して、個別の計算等した上でのアドバイスは行わないのが一般的です。

ですから、相続でよくあるこのような問題に配慮した「失敗しない遺言書」を作りたいとお考えであれば、公正証書遺言を作成するにあたっても専門家のサポートは必須条件となってきます。

公正証書遺言と自筆遺言書はどちらが良いかについては、当事務所の別のページで詳しく解説しています。

自筆証書遺言の保管制度と公正証書遺言はどちらがいいのか比較してみた

自筆証書遺言の保管制度と公正証書遺言はどちらがいいのか比較してみた

ご相談お待ちしております! 左|司法書士 今健一  右|司法書士 齋藤遊

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私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでは、「エンディングノートと遺言書で簡単に終活できる方法があるのですが」と題して、相続手続き専門の司法書士の立場から、まさに今あなたが困っていることについて、知っておくべきことを解説しました。

完璧な終活は、非常に難しいものではありますが、このページで書いてある方法を実践してもらえれば「生前と死後に生じる重要な問題」で家族に迷惑を掛けることは避けられます。

「自分でできることは自分でやり、専門家のサポートを受けるべきところはしっかり助言を受ける」という姿勢が理想的ではありますが、ぜひそのような問題を解決する場面で私たち相続手続きの専門家をご活用いただければと思います。

当時事務所では次のようなサポートを業務を行っています。

専門知識を有する私たちであれば、疑問にお答えできます。また相続問題に強い提携の税理士もおりますので、遺言書で節税対策も可能です。

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