遺産分割調停の申立前にチェック「管轄と期間」【相続専門家監修】

2023年11月10日

遺産分割調停には○か月かかる
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遺産分割調停の申立を検討されている方へ。
まずは、どこに申し立てをするのか、審理に何か月くらいの期間がかかるのか、気になりますよね。
裁判所が公表している最新の統計「平成29年度司法統計」を参照して解説します。

遺産分割調停とは

遺産の分割方法には3つあります。
1つは、「遺産分割協議」です。
遺産分割協議」とは、相続人全員で話し合うことです。
遺産の配分割合や、具体的に何を相続するか等、まずは協議をすることが前提となります。

2つは、「遺産分割調停」です。
遺産の分割について、相続人全員の合意が調わない場合や、そもそも話し合いに応じないなどの理由で協議ができないときは、各相続人は単独で遺産の分割を家庭裁判所に請求することができます。
この「遺産分割調停」は、手続きとしては裁判所への申立ての方法となりますが、実際には、裁判所を間に挟んだ相続人同士の話し合いです。

遺産分割調停で裁判官はジャッジしてくれるの?

「遺産分割調停」ではどちらが良いとか悪いとかいうジャッジはしません
一般の人には分かりにくい法律的な問題を整理して説明はしてはくれます。

ですから、何の根拠もなく法定相続分以上の権利を主張したり、勝手な誤解で話し合いに応じないような相続人がいる場合は、「遺産分割調停」はある程度の効果は期待できます。

他の相続人が何を言ってもダメだったのが、裁判所から説明を受けることによって納得するということはよくあることだからです。

しかし、「遺産分割調停」は相続人全員の合意があってはじめて調停として成立します。
そして合意内容は「遺産分割調停調書」に記載されて、判決などと同じ効力を持ちます。

ですから、相続人全員の合意が調わない場合に、どちらの主張が正しいか、「遺産分割調停」で白黒はっきりさせるようなジャッジがされることはないのです。

遺産分割審判とは何が違う?

そこで3つ目の方法が、「遺産分割審判」です。
「遺産分割審判」は、裁判官がジャッジしてくれます。

流れとしては、「遺産分割調停」が相続人全員の合意が調わずに不調に終わった場合に、自動的に「遺産分割審判」へ移行するというイメージです。
もちろん、審判移行前に調停を取下げて終わりにすることもできますが…。

ところで、相続人の話し合いによる遺産分割協議が調わない場合、家庭裁判所へ遺産の分割を請求することになりますよね。

家庭裁判所へ遺産分割を請求する方法としては、「遺産分割調停」の申立てだけでなく、3つめの方法である「遺産分割審判」の申立てもあります。

しかし、遺産分割はなるべく相続人同士の話し合いによる解決が望ましいとされているので、いきなり「遺産分割審判」の申立てをしても、実務上は裁判所の職権によって「遺産分割調停」に付されることになるのです。

「遺産分割調停」と「遺産分割審判」の具体的な違いについては、こちらに詳しい記事があります。もし良ければお読みください。

【司法書士監修】遺産分割調停と遺産分割審判|早わかり

遺産分割調停は○○へ申立|管轄

遺産分割調停は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。
実際に審理が行われる裁判所を「管轄(かんかつ)」と言います。
相手方のところへ攻めていくのですね。

実務上は様々な申立てのやり方があります。
例えば、遺産分割に協力的な相続人数人から、非協力的な相続人を相手方として申し立てることもあります。
さらに、代表相続人1名から、他の相続人全員(協力的な相続人・非協力的な相続人すべて含む)を相手方として申し立てることもあります。

相手方の住所地以外にも、当事者が合意で定める家庭裁判所を管轄とすることもできます。

遺産分割調停は○か月かかる|期間

遺産分割調停、そして遺産分割調停が不調に終わった場合は遺産分割審判に移行するわけですが、全部終わるまでどのくらいの期間がかかるのでしょうか。

平成29年の司法統計によるデータがありますので、調べてみました。

1か月以内 339件
3か月以内 1,307件
6か月以内 2,905件
1年以内 3,978件
2年以内 2,674件
3年以内 666件
3年を超える 297件

司法統計によると、3か月以内に終了している案件は13%、1年以内は70%となっています。
反対に、30%は1年以上かかっているということですね。

いずれにしても、遺産分割調停や遺産分割審判となった場合、すぐに問題が解決することはないという点は、申立を検討されている方に是非知っていただきたい事実です。

実際のもとデータをご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
リンクを貼っておきます。
裁判所|司法統計

左|司法書士 齋藤遊 右|司法書士 今健一

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