信託銀行5社の相続手続き(遺産整理)の報酬を徹底比較

2023年12月20日

スマホを操作する男性
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最近良くテレビCMなどで「相続手続きはお近くの〇〇銀行へ」といった広告を見ますよね。実際にこのページを検索されたあなたも「銀行の相続手続きってどうなんだろう?」と気になっているのではないでしょうか。

特に「銀行に頼むといくら位かかるのか」という手数料の問題であると思います。

そこで今回は、大手銀行の中でも、「三菱UFJ信託銀行」「みずほ信託銀行」「りそな銀行」「三井住友信託銀行」「三井住友銀行」の5社の「手数料」に着目して、創業20年の相続手続き専門司法書士が、司法書士の目線で徹底的に比較します

なお、このページの情報は、各銀行のホームページ上で公式に案内されている情報のみに基づいて記載しています。より詳しい情報や、最新の情報などは直接各銀行にお問い合わせいただきますようお願いします。

信託銀行の相続手続き代行サービスには2種類ある

まず、現在、信託銀行が取り扱う相続手続き(遺産整理業務)の商品には、大きく分けて2種類あります。

  1. すべての相続手続きを全部やってもらえる「完全タイプ」
  2. 相続手続きのうち一部のみをやってもらえる「簡易タイプ」

「完全タイプ」は手数料が高額なため、このサービスを利用できる方はそもそも遺産の多い方など限定されます。それに比べて手数料が安価な「簡易タイプ」は、幅広い層に受け入れやすいでしょう。

「完全タイプ」の手数料は、遺産の金額によって変動

結論からお伝えすると「完全タイプ」については、どちらの銀行を選んでもサービスの内容は同じです。料金は多少の差があります。

最低手数料は110万円

最低手数料は1,100,000円(税込)ですが、この金額で全部やってもらえるわけではなく、司法書士手数料や税理士手数料等は別途料金となります。

最低手数料というのは、遺産がいくらであろうと必ずかかる手数料という意味です。

財産に比例して手数料は高くなる

この点についてはどの銀行も同じです。相続財産に一定の比率を乗じて、その金額が手数料額となる仕組みです。公式にすると次のようになります。

【銀行の手数料の計算式】
相続財産の価額×手数料割合=手数料の金額

手数料割合は銀行によって異なりますので、この後比較したデータをお伝えします。

また、この公式で計算しても最低手数料の110万円に満たない場合もあるかもしれません。その場合は、110万円が手数料の金額となります。

グループ会社の預かり資産については手数料は割引価格に

たとえば、故人が三菱UFJ銀行に預金を預けていたとします。そして相続手続きを三菱UFJ信託銀行に依頼した場合、グループ会社である三菱UFJ銀行の預金額の部分については、通常の手数料よりも安く行ってもらえます。

このサービスは5社すべてで行っていますから、もし銀行に「全部タイプ」の依頼をする場合は、一番預金額の多い銀行へ頼むと手数料をなるべく安く抑えることができます。

「簡易タイプ」は手続き内容によって、手数料はバラバラ

自分でできるところはやって、面倒なところ(不動産の名義変更や預貯金の解約など)だけ代わってやってほしいという方にはこちらがお勧めです。

費用を節約したい人もこちらのタイプがお勧めです。

「簡易タイプ」は銀行によって特徴があります。何をどこまで代行してもらえるかや、料金設定も銀行ごとに異なります。単純に料金だけでは比較できません。

一般論として、料金が安いものは、それだけ代行してくれる内容も少なく、料金が高いものは内容が多く含まれています。ですから、決して料金だけで選ぶことのないように十分注意してください。

基本手数料は38万5000円~55万円

「基本手数料」は、最低手数料と同じ意味に考えてよろしいかと思います。最低かかる手数料ということです。

ただし「完全タイプ」と違って、「簡易タイプ」は遺産の金額に応じて一定の比率を乗じるという計算式で手数料を計算しません(三菱UFJ銀行は比率を乗じる計算式を用いています)。

代行してもらう手続きが増えるほど手数料が加算されていく仕組みです。

たとえば、りそな銀行の例で言いますと、金融機関の相続・解約手続きが5社までであれば基本手数料内でやってもらえますが、これを超えると1社あたり88,000円が加算されます。

なお、基本手数料の中に司法書士手数料や税理士手数料等は含まれず、別途料金となります。この点は「完全タイプ」と同じ考え方です。

それでは、次の項目から、さっそく5つの銀行の相続手続き(遺産整理)の手数料の比較をしていきます。

「完全タイプ」の相続手続き(遺産整理業務)手数料の比較

それでは、すべてを代行する「完全タイプ」の相続手続き(遺産整理業務)の手数料を5つの銀行で比較してみます。

最低手数料は差がない

最低手数料は5つの銀行で同じ金額でした。

手数料(税込み)円
三菱 みずほ 三井住友信託 りそな 三井住友
110万 110万 110万 110万 110万

報酬率については銀行によって大きな差が

相続する財産額に以下の割合を乗じて計算した合計金額(ピンクの網掛けはその財産額帯での最安値

財産額 報酬率(消費税等込み)%
三菱 みずほ 三井住友信託 りそな 三井住友
①グループ会社預かり資産の部分 0.3 0.33 0.33 0.33 0.22
②上記①以外の財産 5000万円以下の部分 1.8 1.54 2.20 2.20 2.20
5000万円超1億円以下の部分 1.8 1.54 1.65 1.65 1.65
1億円超2億円以下の部分 0.9 0.88 1.10 1.10 1.10
2億円超3億円以下の部分 0.9 0.88 0.88 1.10 0.88
3億円超5億円以下の部分 0.5 0.55 0.66 0.55 0.66
5億円超10億円以下の部分 0.5 0.44 0.44 0.55 0.55
10億円超の部分 0.3 0.33 0.33 0.55 0.33

 

これによると、みずほ信託銀行がその財産額の中で最安値をマークしている箇所が多いので、みずほ信託銀行が5社の中で比較すると手数料としては一番安いと見てよいでしょう。

それに対して、1つも最安値をマークできていないりそな銀行は、りそな銀行に預け資産がある方は別として、それ以外の方は依頼する費用的なメリットは全くないことがわかります。

その他にかかる費用

  • 戸籍謄本等、法定相続情報一覧図の写し、固定資産評価証明書、不動産登記簿謄本等の取得費用
  • 不動産相続登記に係る登録免許税、司法書士報酬、相続税申告等に要する税理士報酬
  • 預貯金等の残高証明書等の発行手数料 など

「簡易タイプ」の相続手続き手数料の比較

次に、一部の手続きのみを代行する「簡易タイプ」の相続手続きの手数料(税込)を5つの銀行で比較してみます。なお、三井住友信託銀行には公式ホームページを見ても「簡易タイプ」はないようです。

三菱 みずほ りそな 三井住友
基本手数料 相続する財産額に以下の割合を乗じて計算した合計額(千円未満切捨)に1.1を乗じた金額。ただし最低手数料は55万円。

①グループ会社預かり資産の部分=0.2%

②1億円以下の部分=1.0%

③1億円超3億円以下の部分=0.5%

④3億円超10億円以下の部分=0.3%

⑤10億円の部分=0.2%

44万円 55万円 38万5,000円
追加手数料 1つあたり22,000円 1つあたり88,000円 1つあたり22,000円

基本手数料とは

遺産がいくらであろうと、必ず掛かる手数料額のことです。最低手数料といった方が分かりやすいかもしれません。

基本手数料でどこまでやってもらえるか

概ね次の手続きをやってもらえます。

  1. 預貯金等の解約・名義変更(金融機関5社まで)
  2. 不動産の名義変更(自宅のみ)を司法書士へ依頼すること

ということは、預貯金が5社までで、不動産が自宅のみであれば、基本手数料の枠内でやってもらえるということです。

ただし、戸籍謄本など必要書類の収集や、遺産分割のアドバイス(どのように分割すれば相続税が安くできるかなど税務上のアドバイスを含む)、遺産分割協議書の作成代、登記手数料などは含まれていません。

諸条件は銀行ごとに異なりますので、必ず各金融機関のホームページなどでご確認ください。

追加手数料とは何か

基本手数料を超える依頼をする場合にかかる費用のことです。

たとえば、相続する金融機関が7社ある場合に、5社までは基本手数料に含まれますが、これを超える2社については、追加の手数料がかかるという意味です。

追加の手数料が1つあたり22,000円の場合、追加が2社ということであれば、22,000円×2=44,000円が別途かかることになります。

また、相続する不動産に自宅以外の別荘などがある場合は、1つごとに追加手数料がかかります。

その他にかかる費用

  • 戸籍謄本等、法定相続情報一覧図の写し、固定資産評価証明書、不動産登記簿謄本等の取得費用
  • 不動産相続登記に係る登録免許税、司法書士報酬、相続税申告等に要する税理士報酬
  • 預貯金等の残高証明書等の発行手数料 など

「簡易タイプ」の手数料が一番安いのはどの銀行か

上の表によると、基本手数料や追加手数料が一番安いのは、三井住友銀行です。

しかし、「総合的に見て三井住友銀行が一番安いと言えるのか」はまた別の問題です。

特に比較の対象となるのは、三菱UFJ銀行です。三菱UFJ銀行は、手数料の計算方法が他の銀行と異なっています。

たとえば、金融機関が5社までで不動産も自宅だけであれば、三井住友銀行が銀行の中では一番安いことになります。

しかし、金融機関が5社を超えてあり、不動産も自宅以外にたくさんある場合は、三菱UFJ銀行の方が安くなる可能性もあります。

ですから、上の表は目安として考えていただいた上で、ご自分のケースに当てはめて計算しなおす必要があるでしょう。

各銀行の詳しいサービスの中身が知りたい

当事務所のホームページで詳しい解説をしています。もしよろしければそちらもご覧ください。

■三菱とみずほ信託銀行の相続手続き(遺産整理業務)を徹底比較

■りそなと三井住友信託銀行の相続手続き(遺産整理業務)を徹底比較

ご相談お待ちしております! 左|司法書士 今健一  右|司法書士 齋藤遊

このページのまとめ

私たちは、相続手続き専門の司法書士事務所です。東京国分寺で約20年に渡って相続問題に取り組んできました。オンラインにより全国対応をしています。

このページでお伝えしたかったことは次の2点です。

  • 全部やってくれる「完全タイプ」は、5つの銀行で手数料は同じ。
  • 一部やってくれる「簡易タイプ」は三井住友銀行が最安値。ただし三菱UFJ銀行と比較が必要な場合あり。

なお、当事務所でも銀行と同様のサービスを提供しています。ご興味のある方はこちらのページをご覧ください。

■遺産整理は銀行の手数料の1/4になる場合もある相続のプロに依頼

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